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No.55「インフラ設備の現地分析」

No.55 インフラ評価技術 特集号

インフラ設備の現地分析
Onsite Analysis for Infrastructure Facilities

はじめに

2012に発生した中央高速笹子トンネル天井崩落事故のような不幸な事故を繰り返さないために、公共設備の補修が急務となっています。首都高速道路についても、建設から既に40年以上を経過し補修工事が急ピッチで進んでいます。このような補修工事においては、使用されている鋼材の組成や溶接性等を評価※1することが必要ですが、材質が不明で適切な補修ができないケースが少なくありません。このような場合、橋梁などから一部分を切り出して分析していますが、橋梁への悪影響があることから非破壊での分析が強く要望されています。

※1 溶接性の良否はPcm値という指標で評価し、鋼材成分の含有率より算出する。
Pcm%=C+Mn/20+Si/30+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+Cu/20+5Bで示され、炭素(C)の分析結果が重要となる。

高精度現地分析

スパーク放電発光分析装置GreenFACT®Ⅱ(写真1)は現地での非破壊分析が可能で、これら要望に応える有力なツールです。鋼材表面と電極の間に高電圧をかけてスパーク放電を起こし、その光の強度を元素ごとに測定して含有率に換算します。

表1に適用可能な元素と含有率範囲の例を示します。補修のための鋼材の評価には炭素(C)、リン(P)、硫黄(S)等の分析結果が重要であり、その高精度分析を実現するため、測定の際に妨害となる酸素を測定系から遮断して光の強度の低下を防止しています。

溶接性に大きく影響するCの分析精度は、JIS G 1253:鉄及び鋼-スパーク放電発光分光分析方法に規定された分析精度を十分満足するものであり、鋼材組成の特定や溶接性の良否判断に活用されています。

おわりに

GreenFACT®Ⅱは現場で非破壊分析が可能で、金属材料の特定に重要な炭素(C)の分析が可能な装置です。インフラ構造物など現地分析のご要望がある場合には、国内どこでも対応致しますのでぜひお声かけください。

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