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No.58「【最新技術紹介】新しい透過電子顕微鏡技術(2)」

No.58 小特集:構造材料ソリューション

【最新技術紹介】新しい透過電子顕微鏡技術(2)~高感度EDX-STEMによる元素選別粒度分布解析~
Nanoparticle Size Distribution Analysis using High Sensitive STEM-EDX Mapping

なぜいまこれが?

自動車排ガス浄化触媒では、ナノレベルの担持金属粒子サイズが特性を左右するため、高性能触媒の開発においては担持金属の粒度分布を把握することが必須です。走査透過電子顕微鏡(STEM)法では、担持金属を直接観察することで粒子径を評価できますが、STEM像のコントラストで識別できない場合は適用できません。また、STEMとエネルギー分散型X線分光法(EDX)による元素分析で担持金属を確認できますが、X線検出感度の制限により粒度分布を把握することは困難でした。

当社は、高感度EDXシステムを搭載したSTEM(Thermo Fisher Scientific社製Talos F200X)をいち早く導入し、数nm~数100nmの広い粒度分布を有する担持金属の元素選別粒度分布解析方法を確立しました1)

これがポイント!

図1に、Pd/Al2O3触媒のSTEM像、EDXマッピング、および粒度分布解析の一例を示します。EDXマッピングにより元素情報としてPd粒子を明瞭に識別できていますが、一般的に原子番号の違いが表れるHAADF(High Angle Annular Dark Field)-STEM像では、Al2O3担体の厚み効果によってPd粒子のすべてを確認できません。この試料は幅広い粒子径のPd粒子を有するため、2つの倍率でEDXマッピングを実施しています。画像解析でPd粒子の円相当径を求め、担体の面積で規格化することで2つの倍率の結果を統合し、粒度分布を導出しました。およそ100個のPd粒子の平均粒子径は約40nmと算出され、これはCOパルス吸着法の結果より求めたPd粒径換算値:約37nmとほぼ一致しました。

この手法は、高感度・高精細EDXマッピング技術により実現したもので、合金系担持金属や複合担体の場合にも有効です。また、触媒以外の様々なナノ材料にも適用可能です。ぜひ、ご相談ください。

1)池本 祥 他 : 第122回触媒討論会, P012(2018)

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