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No.59「【最新技術紹介】分子軌道法による表面の吸着性評価」

No.59 小特集:ナノ解析

【最新技術紹介】分子軌道法による表面の吸着性評価~実験的な測定が難しい現象の理論計算による解析~
Evaluation of Absorption Efficiency by Theoretical Calculation

なぜいまこれが?

界面での化学反応がかかわる現象において、固体表面への分子の吸着性は反応の初期段階における重要なパラメータです。実際の系(自動車の排ガス触媒における触媒表面でのガス分子の反応、潤滑油添加剤の基材表面への被覆膜の生成等)での実験が困難なため、評価が非常に難しくなっています。

当社では、分子軌道法を用いた理論計算から、実験が困難な条件下での固体表面への分子の吸着性を評価し、表面で起こっている反応の解析、最適な分子構造の設計などのお手伝いをいたします。

これがポイント!

解析は、Gaussian®、Quantum Espresso®等のアプリケーションを用いた、分子軌道法もしくは第一原理バンド計算による理論計算から行います。まず、対象となる固体表面、吸着する分子に合わせて適切な計算モデルを作成します。計算モデル中のパラメータには実験値を用いないため、実験が難しい系であっても対応が可能です。

図1に計算モデルの概念図を示します。固体表面の構造と吸着分子の構造を適切に与え、両者間の距離を変えながら各点における全エネルギーを分子軌道法によって計算することで、図2に示すポテンシャルエネルギー曲線が得られます。ポテンシャルの深さΔEは分子の固体表面への吸着性の強さを、極小点の位置R0は吸着した状態での分子と固体表面間の距離を示します。

分子内で固体表面に近接する場所を変えながら計算することによって、吸着する分子のどの部分が固体表面に配位しやすいのかがわかります。分子構造を変えて計算することで、目的に対して最適な分子を設計するための指針を得ることができます。

また、分子軌道法を用いた理論計算では、吸着後の表面での化学反応も扱うことができます。お気軽にご相談下さい。

図1 計算モデル概念図
図1 計算モデル概念図
図2 ポテンシャルエネルギー曲線
図2 ポテンシャルエネルギー曲線

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