No.62「粗大結晶材料のX線法による残留応力測定」

No.62 知多ソリューション 特集号
粗大結晶材料のX線法による残留応力測定
Residual Stress Measurement of Coarse Crystalline Materials by X-ray Method

なぜいまこれが?

近年、発電機などの高効率化が求められており、パラメーターの一つとして、鉄心材料である電磁鋼板の鉄損制御が挙げられます。鉄損については残留応力との関係性が報告されており、残留応力をコントロールすることで鉄損が低減され、発電機などの高効率化が可能となります。残留応力を定量化するための手段として、X線法は最適な手法の一つです。

これがポイント!

X線による残留応力測定では、被測定材が「等方性多結晶」であることが必要条件の一つであり、多結晶の条件が満たされない粗大結晶の場合、X線回折に寄与する結晶の数が少ないため、回折により得られる情報が不足し解析不可となるケースがあります。電磁鋼板はその代表であり、また、ハイグレードの電磁鋼板ほど結晶粒が粗大化する傾向があり、一般的には解析が困難となっています。

当社では、粗大結晶材料の残留応力測定する際に、結晶より多くの情報を得る手段として、センサーを揺動させ、X線入射角を変えながら測定をする方式を採用していました。しかしながら、1軸揺動であるため測定精度の点から結晶粒径50μmが上限であり、ハイグレードの電磁鋼板の解析は不可能でした。

今回、結晶粒径が90μmの電磁鋼板について、1軸揺動および3軸揺動の2方式で残留応力測定を実施しました。図1にX線回折環比較を、表1に残留応力測定精度比較を示します。1軸揺動では不連続であった回折環(理論計算不成立)が、3軸揺動により連続的となった結果、高い精度の測定結果を得ることができました。

図1 揺動方式の違いによるX線回折環比較(結晶粒径:90μm)
図1 揺動方式の違いによるX線回折環比較(結晶粒径:90μm)
表1 揺動方式の違いによる残留応力の測定精度比較【単位:MPa】
結晶粒径 1軸揺動方式 3軸揺動方式
応力値 標準偏差 応力値 標準偏差
90μm + 174 1078 - 27 20

当社は、さまざまな材料の残留応力測定実績があります。トライアル測定から始めさせていただいておりますので、お気軽にご相談下さい。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部