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No.64「インフラ評価技術(3)」

No.64 構造性能センター 特集号

インフラ評価技術(3)~構造物の疲労現象を解明~
Evaluation of Fatigue Behavior and Damage on Structural Members

なぜいまこれが?

鋼製の道路橋や鉄道橋は長期にわたる苛酷な繰り返し荷重により、疲労が進行し構造物としての性能を確保できなくなる場合があります。よって疲労損傷の発生傾向と交通条件・構造条件・溶接品質等各種要因との関連性について実験的検討を行うことは重要と考えられています。

当センターでは、保有する疲労試験機(表1)により、建設用鋼材の継手や構造部材・構造物の疲労試験を実施しています。これらの試験は、疲労耐久性に配慮した継手の選定、構造の決定に貢献しています。

表1 疲労試験機の仕様
主な試験装置 性能・仕様 所在地
750kN 高速疲労試験機 動的 ± 750kN 長沼地区
1MN 動的アクチュエータ 動的 ± 1.0MN 長沼地区
500kN 動的アクチュエータ 動的 ± 500kN 長沼地区
100kN 動的アクチュエータ 動的 ± 100kN 京浜地区

これがポイント!

750kN疲労試験機(図1)

定置式の試験機であり、荷重±750kN、ストローク±50mm、最大繰返し速度20Hzです。最大試験空間は、高さ2m×幅1.5m×長さ3mです。継手の引張圧縮疲労試験、梁材の曲げ疲労試験などに対応できます。

図1 750kN疲労試験機
図1 750kN疲労試験機

1MN・500kN疲労アクチュエーター(図2)

移動式アクチュエーターであることから、試験空間はテストベッドと鉄骨フレームを利用して任意に設定することが可能で、任意の試験体形状に対応可能です。1MN疲労アクチュエーターは、荷重±1,000kN、ストローク±100mm、最大繰返し速度20Hzです。制御形式は荷重、変位とも可能です。500kN疲労アクチュエーターは、荷重±500kN、ストローク±100mm、最大繰返し速度1Hzです。これらにより、鋼橋桁、橋梁部品、道路床板など様々な構造物の疲労性能を確認しています。

試験実施例

・鋼製橋脚隅角部疲労試験(図3)

鋼製橋脚の梁と柱の交差部(隅角部)は、溶接部に潜在するきず等が影響するため、疲労上の弱点といわれています。鋼製橋脚隅角部の疲労挙動を検証するため、鋼製橋脚隅角部を模した試験体をテストベッド上に設置し、500kN疲労試験機2基を同期させて上梁支間中央を荷重載荷点として繰返し荷重を載荷しています。

当センターは、テストベッドと移動式アクチュエーターを組み合わせた構造物疲労試験を多数実施してきた実績があります。お気軽にご相談ください。

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