JFE-TEC News
No.65「気流のシミュレーション」
JFE-TEC News No.65号 「新生活様式」に向けたソリューション 特集号 記事一覧
No.65 「新生活様式」に向けたソリューション 特集号
気流のシミュレーション~気流のシミュレーションに基づく感染防止対策の効果の予測と評価~
Prediction and Evaluation of Countermeasures to Prevent Infection Based on Air Flow Simulation
なぜいまこれが?
新型コロナウィルスの感染拡大を抑制するため、店舗やオフィスでは、仕切り板の設置や換気などの対応が求められています。しかし、感染源となる飛沫などの微粒子は周囲の気流の影響を大きく受けるため、対策の効果は気流環境により大きく異なります。個々の気流環境を考慮した対策の効果予測と検証には、数値シミュレーション(CAE)が有用です。
これがポイント!
室内での感染リスクを下げるには、十分な換気を行う必要があります。店舗やオフィスは換気を考慮して設計されていますが、空気が淀む場所があると、そこに感染源が長時間滞留し、感染リスクは高まると考えられます。気流のシミュレーションにより、空気が淀みやすい場所が特定され、対策を検討することが可能です。ここでは、排気口や開閉窓がない会議室を対象に、サーキュレータ1台での換気対策を検討した例をご紹介します。ドアを開放した場合および、それに加えてサーキュレータを外向き(排気)または内向き(給気)で設置した3つのパターンについて、室内に流入した空気の経過時間を表す「空気齢」を計算した結果を図1に示します。空気齢が長い赤の場所は気流が淀みやすい場所と評価できます。この結果より、ドアを開放し、サーキュレータを内向きに使用することで、効率良く換気できることがわかります。
図2は静穏環境下での咳の飛沫の動きを解析した事例です。静穏な室内では人体、パソコンなどの発熱物による上昇流が飛沫の動きに大きな影響を与えます。咳やくしゃみで発せられた大きな粒子は前方に飛散・落下、小さな粒子は気流に乗って漂います。このような飛沫の挙動は、気流と粒子の連成計算でシミュレートできます。
当社では、シミュレーションと可視化計測を併せたご提案も可能です。お気軽にご相談ください。
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