No.66「機械学習によるCT画像のセグメンテーション」

No.66 数理ソリューション 特集号
機械学習によるCT画像のセグメンテーション
Segmentation of CT Images by Machine Learning

なぜいまこれが?

エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池、軽量高強度な構造部材等の高機能複合材料では、機能発現や劣化機構を解明するためには構成物質の分布を三次元的に評価する事が必要です。X線CT法は非破壊で三次元構造を可視化できる優れた手法ですが、断面画像の画素を構成物質に分類するセグメンテーションにおいて、X線吸光度が同程度の物質を区別できないという問題点がありました。一方近年、機械学習技術の進歩により、画素の周辺の情報を用いて分類を行うセマンティックセグメンテーションが実用的に利用できるようになりました。本稿では、当社で取り組んでいる、機械学習を用いたセグメンテーションによるCT画像からの三次元構造の可視化例を紹介します。

これがポイント!

セマンティックセグメンテーションは教師有り学習の一種であり、最初に教師データを人間が作成する必要があります。セグメンテーションの精度は教師データの品質で大部分が決まるため、対象となる物質や実験的な測定手法に対する深い理解に基づいて、高品質な教師データを作る事が重要となります。当社ではCT測定、電池、データサイエンスの各分野の専門家が協力して教師データを作成すること により、精度の高い機械学習モデルを作ることが可能となりました。

リチウムイオン二次電池の正極塗膜のCT画像に対して機械学習によるセグメンテーションを行った例を図1に示します。上はCT画像、下はセグメンテーションの結果です。導電助剤のように位置によって輝度が異なり判別が困難な物質も、セマンティックセグメンテーションで周辺の情報を考慮することによってはっきりと分類できます。

リチウムイオン二次電池の正極塗膜のCT画像
リチウムイオン二次電池の正極塗膜のCT画像
機械学習によるセグメンテーション結果
機械学習によるセグメンテーション結果
図1 リチウムイオン二次電池の正極塗膜のCT画像と機械学習によるセグメンテーション結果
赤:活物質, 緑:バインダー及び導電助剤, 紫:空隙

当社では、CTの測定からお客様のお持ちの画像データを用いた解析まで、各段階での対応が可能です。お気軽にご相談ください。

このページに関するお問い合わせはこちらから

  • お問い合わせ
  • ご依頼の流れはこちら

JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部