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No.68-2「モータの振動評価技術」
JFE-TEC News No.68-2号 EV特集号 Part2 モータ解析技術 記事一覧
No.68-2 EV特集号 Part2 モータ解析技術
モータの振動評価技術
Evaluation Technique of Motor Vibration
なぜいまこれが?
モータで動く電動車(EV / HEV)は、従来のエンジン車に比べて低振動ですが、従来車では問題とならなかった振動が問題となることがあります。例えば、電動パワーステアリング(以下EPS)や、エアコンのコンプレッサーなどの振動は、従来車ではエンジンの振動に埋もれてあまり問題となりませんでしたが、EV / HEVでは問題となることがあります。このようなことから、モータの振動はこれまで以上にクローズアップされてきています。
これがポイント!
モータの振動を解析することで、「モータの回転が直接原因である振動」と「機械的構造による共振」を区別して把握することができます。その例として、EPSなどに用いられる埋め込み型磁石モータ(以下IPMモータ)の振動を解析した結果について紹介します。
解析したIPMモータは、写真1に示すモータ試験装置で駆動しました。トルクを一定とした状態で、回転数を500rpmから3000rpmまで毎秒+5rpmで増加し、モータケースに取り付けたセンサーで振動加速度を測定し、FFTアナライザーによりトラッキング解析をおこないました。
その結果を図1に示します。図中に赤矢印で示した斜めの直線上で振動加速度が増加しています。これはモータの回転数に比例して振動の周波数が増加していることを表し、モータの回転が直接原因の振動です。また、図中の青矢印の周波数範囲でも振動が増加しています。この範囲はモータの回転数には関係なく、モータおよび試験装置の機械的構造に起因する共振周波数を表しています。
当社では、モータ効率の評価等もおこなっていますので、お客様の目的に合わせたモータ評価を検討いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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