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No.68「水素社会を担う燃料電池の試作・評価とナノ構造解析(4)」

No.68 EV特集号 Part1 電池解析技術

水素社会を担う燃料電池の試作・評価とナノ構造解析(4)~燃料電池セル用ガスケットのガスリーク性評価技術~
Leakage Evaluation Technology for Gases from Gasket Joints in Fuel Cells

燃料電池(以下、FC)セル用ガスケットは、燃料電池内で水素と酸素の流路を保ち、生成された水の排水性を高めるシール部材です。

同部材は、低温から高温までの幅広い温度範囲で長期間シール性を保持することによりFCセルスタックの高性能化や長期信頼性に貢献しています。

なぜいまこれが?

FCセルの長期間信頼性のためには、シール性の確保が重要です。そのため出荷前にガスリーク検査が実施されています。当社では、ガスバリアフイルムの気体透過量を高精度に評価できるガス透過試験機を保有しています。この試験機にガスケット接合部を模擬した構造の治具をセットし、ガスケット接合部からのガスリーク性を評価可能とする技術を開発しました。

これがポイント!

図1は、開発した治具とガス透過試験機への装着状態の外観です。具体的には、最初に評価用のガスケットを上下の治具に挟み治具を締め付け、ガスケットを圧縮します。次に、通常はバリアフイルムを固定する部分に治具を固定します。その後、上流側からHeガスを流し、治具/ガスケット接合部からリークしたHeガス流量を四重極質量分析計により計測します。

図1 開発治具とガス透過試験機への装着状態
図1 開発治具とガス透過試験機への装着状態

図2は、NBRゴム製ガスケット(外径30mm、内径10mm、厚さ5mm)を20%圧縮した状態でHeガスリーク量を計測した結果です。40℃環境で、投入ガス圧力を2水準(100kPa、120kPa)変化させて計測しました。両水準で、Heガスリーク量を安定して計測することに成功しました。投入ガス圧力の増加に伴いHeガスリーク量が増加する傾向を確認しました。

今後、下記のようなご要望がありましたら是非お気軽にご相談ください。
①大きなガスケットを評価したい、②投入ガス圧を上げて評価したい、③環境試験により劣化した状態のガスケットを評価したい等

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