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No.69「赤外線カメラのロックイン解析技術」
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No.69 計測特集号
赤外線カメラのロックイン解析技術~非破壊検査・応力測定・気流可視化への応用~
New Developments in Infrared Lock-in Thermography
なぜいまこれが?
温度測定に用いられる赤外線カメラ(サーモグラフィ)ですが、これにロックインアンプでよく知られるロックイン解析法を適用すると、雑音に埋もれた微小な温度変化が高精度に測定できます。これを利用することで、温度測定以外にも様々な用途に応用することができます。当社では、非破壊検査・応力測定・気流可視化を対象とした独自のロックイン解析技術を開発しましたので、以下にご紹介致します。
これがポイント!
・赤外線カメラによる非破壊検査
非破壊検査は、サンプルを外部から周期加熱して内部欠陥を検出するものです。欠陥によって断熱が生じるので、表面の温度変化に影響することを利用します。当社では、欠陥の深さに応じ加熱周期の一部を切り出してロックイン演算する「3Dロックイン法」を開発しました。1回の測定で、深さの異なる複数の解析が可能になります。
・赤外線カメラによる応力測定
応力測定は、サンプルに応力を作用させた際に、膨張・圧縮で生じる温度変化に基づきます。当社では、応力の時間変化が解析できる「短時間ロックイン法」を開発しました。例えば、車両の通過に伴い橋梁等で瞬間的に生じる応力の測定が可能となります。図1に、き裂試験片での応力の解析例を示します。時間とともに応力が増大する様子がわかります。
・赤外線カメラによる気流可視化
気流可視化は、気体自体の微小な温度変化に基づきます。先ほどの「短時間ロックイン法」を適用することで、温度ムラのある気体の動きが可視化できます。人のいる環境や大空間でも簡単・安全に可視化できるため、コロナ禍で注目されております。さらに、当社独自の「リアルタイムロックイン法」を使えば、その場で気流が観察できます。図2に、エアコンを可視化した例を示します。
当社では、赤外線カメラシステムの販売とともに受託測定にも応じております。お気軽にご相談ください。
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