No.72「ラミネート型全固体電池の試作と評価」

図1　塗工式全固体電池の電極断面イメージ

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  写真1　小型コータによる塗工
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  写真2　ラミネート型全固体電池試作例

二酸化炭素排出削減に向け電気自動車（以下EV）用リチウムイオン二次電池（以下LIB）を高性能化する研究開発が加速しています。特に、硫化物系固体電解質を用いた全固体電池は難燃性、高電圧化、高エネルギー密度化が可能となることから次世代EV用途として期待されています。当社は、これまでの材料評価に適した圧粉成型法による電池試作サービスに加えて、新たにラミネート型全固体電池の試作サービスが提供できることになりました。

図1に塗工式全固体電池の電極断面イメージを示します。全固体電池では、液系LIBの有機系電解液に代わり固体電解質を用います。当社では、硫化物系全固体電池に用いる固体電解質として、LPS（Li2S-P2S5）系固体電解質を当社内で合成し全固体電池の試作評価に適用を開始しております。まず、活材、固体電解質、導電助剤、バインダ、溶媒等を、低露点（-80℃）を保持したグローブボックス内のミキサーで混錬し、スラリーを作製します。粘度調整後、グローブボックス内の小型コータを用いて塗工します（写真1）。塗工後、打ち抜きし、ラミネート型全固体電池を組み立てます（写真2）。ラミネート型全固体電池の試作では、正・負極活物質および固体電解質、添加剤、導電助剤のスクリーニング評価から電極設計・セル設計・寿命評価まで適しております。また、お客様があらかじめスラリーを作製し当社にご 支給いただき、塗工工程のみ実施いただくことも可能です。

当社は、高容量化LIB部材のスクリーニング評価から硫化物系ラミネート型全固体電池の試作・評価・解析に加えて、物理解析メニューも豊富に取り揃えております。お気軽にご相談ください。