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No.72「ガラス越しの気流可視化」

No.72 新評価装置・新サービス特集号

ガラス越しの気流可視化
Visualization of Airflow through Glass

なぜいまこれが?

当社では、2018年に気流可視化装置を開発し、機器の販売とともに、受託測定として多くのお客様にご利用いただいております。この装置は赤外線カメラによる温度計測に基づくもので、たとえば建屋内の効率的な空調設計や、新型コロナウィルス拡散防止のための適切な換気設定に活用されております。

本技術に関して、工業用熱処理炉に対し、ガラス窓越しでの気流測定のご要望がありました。精度向上・均一加熱・耐熱性設計・環境負荷低減等が目的となります。しかしながら、温度計測に用いている中赤外線カメラでは、波長帯3~5μmがガラスで吸収されるため、炉内の温度を精度よく測定できませんでした。

これがポイント!

この課題に応えるため、気流可視化装置のラインナップに近赤外線カメラを加えました(写真1)。近赤外線カメラは、波長帯(0.9~1.7μm)がほとんどのガラスを透過するため、窓越しでも炉内の状況が観察され、気流を可視化できます。これまでと同様、リアルタイムで気流をご覧になることもできます。

写真1 近赤外線カメラ
写真1 近赤外線カメラ

中赤外線カメラでは主に大気中のCO2を捉えておりましたが、近赤外線カメラでは主に大気中の水蒸気を捉えて気流を可視化しております。図1にガラス窓越しで恒温槽内の気流を可視化した結果を示します。概ね200℃以上の雰囲気で気流を可視化できます。

新たに開発したこの装置は、ガラス越しでの気流可視化に限定するものではなく、高温の排熱の漏れ検知などにもご活用いただけます。中赤外線カメラと比べ軽量コンパクトであることに加え、一般の光学レンズが使えることからレンズ選択の幅が広く、現場での測定により適しております。熱処理・食品製造・鉄鋼・溶接などの分野でご活用いただけるものと期待しております。

当社では、気流のベクトル解析にも対応しております。お気軽にご相談ください。

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