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No.74「固体高分子形燃料電池に使用されるガス拡散層の透水性評価」

No.74 固体高分子形燃料電池・水電解特集号

固体高分子形燃料電池に使用されるガス拡散層の透水性評価
Water Permeability Evaluation in Gas Diffusion Layers Used in Polymer Electrolyte Fuel Cells

なぜいまこれが?

固体高分子形燃料電池は、高出力密度、低温度での作動等の特徴を活かし家庭または自動車への適用が進められています。しかしながら、更なる普及にはまだ多くの課題が存在し、特にPEFCセル内部の水分管理は重要な課題の一つです。

図1にPEFC単セルの発電および物質挙動に関する概念図を示しました。ガス拡散層(GDL)は、過加湿状態では凝縮した水分が気孔を閉塞しガス拡散を阻害し、逆に乾燥するとプロトン伝導性が低下し、いずれにおいてもセル電圧の低下を招きます。そのためGDLの透水性を定量的に評価することが求められています。

図1 PEFC単セルの発電および物質挙動の概念図
図1 PEFC単セルの発電および物質挙動の概念図

これがポイント!

図2に当社において測定できるGDL透水量測定法の概念図と仕様を示しました。測定上の特徴は2点あります。1点目は、供試GDL/治具間の隙間から水漏れがない状態で、治具間に挟まれたGDLの端部より注水し、透水量を検出することが可能な点です。2点目は、加圧ポンプとレギュレータを用いて水圧を変動させて透水量を測定することが可能な点です。透水量は、1分間、単位面積あたりの透過量として評価いたします。水圧やガス圧の適応範囲は図中に示した範囲で対応可能です。

図3にGDLの透水量に及ぼす水圧の影響を評価した結果を示しました。水圧が増加するにつれて透水量が増加する傾向を確認することができました。

本手法を用いて空気や酸素等のガス透過量を測定することも可能であり、GDLに加えて水電解装置に用いられる多孔質移動体(PTL)を評価することも可能です。サンプルサイズや水圧、ガス圧その他測定条件の変更についても対応できますので、お手軽にご相談下さい。

透水量の測定方法
測定流体 水、空気 等
サンプルサイズ 50mm × 100mm × 0.2mm(応相談)
水圧 1kPa ~ 400kPa
ガス圧 50kPa ~ 400kPa
図2 透水量の測定方法と仕様
図3 GDLの透水量に及ぼす水圧の影響評価
図3 GDLの透水量に及ぼす水圧の影響評価

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