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No.76「非暴露クライオ試料加工と高度SEM観察・解析」

No.76 物理解析の最前線特集号

非暴露クライオ試料加工と高度SEM観察・解析〜全固体電池開発を支える電池セル構造評価〜
Advanced Cold FE-SEM and Sample Preparation Technique Under Fully Air-locked Condition

なぜいまこれが?

電気自動車の高性能化に向けたブレークスルーと期待されている全固体電池は、近年、研究・開発が加速しています。電池の電解液を固体電解質にすると、材料間の固体接触が重要な開発要素となるため、電池断面のSEMによる微細構造評価のニーズが非常に高くなっています。

これがポイント!

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池で使用されていた電解液を固体電解質に置き換えることで、1000km以上を走行できる電気自動車を開発できる可能性があるといわれています。

一方で、固体電解質を用いる場合には、電池内部に含まれる電池活物質と従来の電解液のように完全に密着することが求められます。

さらに、電池動作時に膨張・収縮し続ける活物質との密着性を維持しなければならないのです。

全固体電池開発の難しさは、従来のリチウムイオン電池の主な劣化要因である界面副反応の適切な制御に加えて、複雑な固体複合体中のすべての固体接触をnmスケールにわたって維持する必要があるといえます。

さまざまな分析手段の中で、広範囲の電池試料断面の微細構造評価に対して、試料劣化を回避できる非曝露SEM観察および画像解析が注目されています。当社では、このたび全固体電池断面加工に最適な非曝露・試料冷却機能付きイオンミリング加工機および最新型のCold FE-SEM*を増強し、高度化するニーズに対応してまいります(図1)。

図1 最新型Cold FE-SEMの外観
図1 最新型Cold FE-SEMの外観

当社で試作した全固体電池セルの断面観察例、正極活物質の拡大像、および活物質表面部の高分解能EDX元素マッピング結果を図2に示します。正極活物質表面の100nm未満のLiNbO3コート層が可視化できています。さらに、機械学習を活用した画像解析によって、断面像中に示すような組成分布像の作成も可能です。お気軽にご相談下さい。

*Cold FE-SEM:冷陰極型電界放出電子銃を装備

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