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No.76「当社の物理解析分野の学会報告 この1年」

No.76 物理解析の最前線特集号

当社の物理解析分野の学会報告 この1年
Our Presentation on Microbeam Analysis at Conference in One Year

本特集号では、新たに開発が進む材料の微細構造を明確にするため、当社で開発している構造解析技術を紹介しました。微細構造と言っても、材料毎・部品毎の設計に必要な微細構造は、種類もスケールも異なっています。種類としては、電子顕微鏡でわかる材料組織から結晶構造、分光技術が必要な電子状態・化学結合状態と様々な観点が要求されています。スケールから見ても、微細構造は原子・分子スケールからμmスケールまで、様々です。

私どもは、お客様の構造解析結果から材料・部品のブレイクスルーを図りたいとのご要求に応える解析手法をご提案するとともに、より一般化した技術として、学会報告・論文投稿も行っています。この1年間で、17件の発表・投稿を行いました。

開発した構造解析技術を材料や部品の学会で行った、総合的な解析の報告例として、実装エレクトロニクス学会関西支部主催の関西実装フェスタ2023で報告した概要を示します。実動作を想定して、車載用インバータ向けに開発されているSiC系パワーデバイスをSEM中で加熱して得た像を画像相関法(Digital Image Correlation: DIC)で解析すると、SiC半導体/モールド樹脂界面に発生する熱ひずみが明らかにできることを報告しました。図1の様に、SiC界面から樹脂中にひずみが発生していることが分かります。合わせて、125mmと広範囲の熱ひずみを、ステレオ光学カメラ画像にDICを組み合わせて評価した熱伝導シートの加熱による変位や、デバイスの欠陥観察可能なドライ超音波探査映像装置も紹介することで、車載部品の熱マネージメント向けの総合的な要素技術を示しました。

材料物性が発現する仕組みを紐解こうとすると、従来技術の深い理解に基づいて開発した解析技術・評価技術と、これらを組み合わせた広範な解析・評価技術が重要です。当社はこれら技術の開発を進めていきます。

200℃に加熱されたSiC系パワーデバイスのSiCチップ/モールド樹脂界面におけるひずみ分布
図1 200℃に加熱されたSiC系パワーデバイスのSiCチップ/モールド樹脂界面におけるひずみ分布。
(a)y方向垂直ひずみ (b)二次電子像図中に示した点線は、SiC界面とモールド樹脂との界面を示す。

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