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No.81「ICHガイドラインに基づく医薬品不純物分析技術」
JFE-TEC News No.81号 化学分析の最前線特集号 記事一覧

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No.81 化学分析の最前線特集号
ICHガイドラインに基づく医薬品不純物分析技術
Analysis for Pharmaceutical Impurities Based on ICH GUIDELINES
なぜいまこれが?
医療機関で『医薬品が不足しています』といった掲示を見たことはありませんか?その原因は様々で、新規感染症等の発生に伴う需要の急激な変化、医薬品の安全性・品質管理体制の厳格化が挙げられます。新たな規制物質の出現もその一つで、近年では、ニトロソアミン類という発がん性物質が医薬品中に混入していたことで、医薬品の製薬会社による自主回収が増えており、医薬品の安定供給の課題となっています。
これがポイント!
当社では有機不純物であるニトロソアミン類の分析のため、最高感度を持つ液体クロマトグラフ質量分析装置を導入し、限度値(検体濃度)0.03 ppmの非常に低濃度での分析を、医薬品製造のための省令に則った品質管理下で可能にしました(図1)。また、ニトロソアミン類以外に、原薬・製剤中の有機不純物、残留溶媒も分析いたします。
装置定量下限値;0.05 ~ 0.1 pg/μL
(Waters Xevo TQ Absolute)
『医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検』(厚生労働省)
対象成分(9 成分)の分析例を示します。限度値(検体濃度)0.03 ppm を基本とし、条件によってはさらに低濃度の設定も可能です。
さらに、無機不純物分析にも数多く取り組んでいます。医薬品中の元素不純物分析では、1600品目以上の医薬品関連物質に対応した実績があります。豊富な前処理技術により、分析法バリデーションから実測定にいたるまで、迅速で正確な試験記録・結果のご報告が可能です。反応性の高い、原薬や軟膏・クリームから、分解困難な製剤に至るまで、クリーンルーム環境にて対応いたします。
今後、医薬品中の不純物管理は、医薬品そのものだけでなく、包装容器等から溶出してくる成分への適用拡大も検討されています。
これまで述べた不純物分析は、国際的なガイドラインICH Q3A、Q3B、Q3C、Q3D、Q3E、M7に基づく必要があります。当社は医療器具で培った溶出試験技術や、有機分析、元素分析技術を組み合わせ、各種ガイドラインに基づく総合的な試験デザインを提案し、医薬品の品質管理、安定供給のベストパートナーとしてサポートいたします。お気軽にご相談ください。
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