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No.43 透過電顕による樹脂材料の微細組織(モルホロジー)観察

“KTEC News”は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

(写真左)マトリックス樹脂相を選択的に染色
(写真右)分散樹脂相中のエラストマー成分を選択的に染色

樹脂材料は,ますます高性能化,多機能化しており,各種の多成分・多相系樹脂材料(ポリマーアロイおよびブレンド)が開発されている。

ポリマーアロイおよびブレンド樹脂の性能または機能は,そのモルホロジーと密接に関係することから,モルホロジー分析は,多成分・多相系樹脂材料の調査,開発にとって必須の手法である。ここでは,透過電顕(TEM)を用いて行った分析例について示す。

TEM撮影用の試料調製の基本技術は,凍結下での超薄切片作製と樹脂組織の染色からなる。染色剤としては,OsO4またはRuO4の水溶液を用いる。染色のポイントは,多成分の樹脂混合物を染め分けること,すなわち特定の樹脂相だけを選択的に染色して,樹脂の微細組織の形態を識別することにある。上記の染色剤を単独で用いても樹脂組織を識別できない場合には,染色剤に加え,適切な染色助剤が併用される。

分析例は,3成分系ポリマーアロイ樹脂において,写真左はマトリックス樹脂相を染色した場合であり,マトリックス樹脂の非結晶部分を選択的に染色することにより,結晶部分の配向状態ならびに分散相との界面の状況が観察できる。写真右は,分散相中のエラストマー成分を選択的に染色した場合である。エラストマー成分分子はハードセグメントとソフトセグメントからできており,この分析例ではハードセグメント部分を選択的に染色したケースである。1ミクロン以下の分散粒子中のエラストマー成分が規則的な交互ラメラ構造を有していることが解る。

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