No.22「高精度赤外線カメラの応用(2)」

No.22
高精度赤外線カメラの応用(2)~疲労損傷部位の予測~

高精度赤外線カメラを繰返し応力が作用する物体の測定に応用すると、短時間で疲労損傷部位の予測や、材料の疲労限度(それ以下では疲労破壊が起こらない最大の応力範囲)の推定が可能になります。

ひずみ蓄積にともなう温度変化

繰返し応力が作用している物体では、応力変化と同期した温度変化が起こりますが、応力範囲がある程度大きくなると材料の内部にミクロ的なひずみの蓄積が起こって、それによる温度変化も発生します。高精度の赤外線カメラでは、ロックイン機能やFFT解析等の信号処理機能を利用して、応力変化による温度変化だけでなく、ひずみ蓄積による温度変化を別々に測定することができます。このひずみ蓄積による温度変化の測定から、疲労き裂が発生していない段階で疲労損傷部位を予測することができます。

疲労損傷部位の予測

図は、車軸に繰返し曲げ応力を加えて疲労試験を行っている状況を示しています。赤外線カメラで試験開始から数十秒間の温度データを採取し、そのデータから車軸の疲労損傷部位を見つけることができます。写真は、図の測定エリアの応力画像(A)とひずみ蓄積による温度変化の画像(B)です。応力画像(A)からは、車軸の下側に引張応力、上側に圧縮応力が発生していることが分かります。この車軸にはリング状部品が溶接されていますが、写真の画像(B)は、溶接の端部に大きなひずみ蓄積による温度変化があることを示しています。この部分には、溶接の残留応力や金属組織の変化があるためにミクロ的なひずみが蓄積されやすくなっており、やがてはここから疲労き裂が発生すると予想されます。このように、高精度赤外線カメラを用いると、短時間で疲労損傷部位を予測できます。

図 車軸の曲げ疲労試験
図 車軸の曲げ疲労試験
(A)応力画像
(A)応力画像
(B)ひずみ蓄積による温度変化画像
(B)ひずみ蓄積による温度変化画像
写真 赤外線カメラによる応力画像(A)とひずみ蓄積による温度変化画像(B)

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