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No.35「極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)の導入」

JFE-TEC News No.35号 電池材料の物理解析技術(4) 他 記事一覧

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No.35(2013年04月)
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No.35 電池材料の物理解析技術(4) 他

極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)の導入
Surface Analysis by Ultra-low Accelerating Voltage SEM

導入した最新鋭ULV-SEM の特徴

この度、当社では、最新のULV-SEM(Carl Zeiss製Ultra PLUS)を導入しました。この装置には以下の特徴があります。

(1)
数nm 程度の最表面観察が可能:極低加速電圧(2kV 以下)で材料の最表面観察を行うことができます。
(2)
絶縁物表面も観察が可能:帯電中和機構と極低加速電圧観察により帯電を防止することができるため、導電処理を行わずに絶縁物を観察することができます。

その他、4種類の観察モードにより、様々な情報(表面形状、化学状態、組成像と結晶方位)を得ることができます。このULV-SEMに取り付けたEDX分析においては、従来の装置では数μmが限界でしたが、約50nmの微小部分析も可能です。 このような特徴を生かしたULV-SEMによる材料表面の観察事例を示します。

観察事例1:金属最表面観察

写真1は、ガス腐食試験後のりん青銅製部品の表面に形成されたCuの微小腐食生成物を観察した結果です。従来の高加速条件(b)では、電子のエネルギーが高いため、最表面の微小腐食生成物をつき抜けて、りん青銅に起因する平滑な形状しか見られません。700Vの極低加速条件(a)にして初めて、表面の 腐食状態が観察できるようになりました。

ULV-SEMによる最表面観察例
写真1 ULV-SEMによる最表面観察例
従来のSEM では観察できないガス腐食促進試験後に形成されたりん青銅表面の
微小なCu の腐食生成物(a) も、ULV-SEM を用いることにより観察できます。

観察事例2:絶縁物の最表面観察

写真2は、極低加速条件(700V)で、導電処理を施さずに観察したポリマーシートの表面です。最表面に極薄の抗菌処理が施されています。従来条件では見えないポリマー上の抗菌処理層(b)が、極低加速条件で観察できました(a)。

当社は、金属、ポリマーやセラミックなど様々な材料の最表面を観察できる最新の技術により、お客様の材料開発のお手伝いから不具合品の調査まで、様々なご要望にお応えいたします。是非一度、お気軽にご相談下さい。

ULV-SEMによる絶縁物の最表面観察例
写真2 ULV-SEMによる絶縁物の最表面観察例
従来条件では、ポリマー表面の抗菌処理層は観察できない(b) のに対し、
極低加速電圧観察により、極薄コーティング層も観察が可能です(a)。

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