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No.38「ダイキャスト向け光ファイバー温度計」

No.38 耐候性評価センターの保有設備と受託試験 他

ダイキャスト向け光ファイバー温度計~効率の良い金型設計のための強力なツールとなる光ファイバー温度計~
Optical Fiber Pyrometer for Die Casting

ダイキャスト(ダイカスト)は、1秒以下の短時間に溶融金属を金型内に高圧充填する鋳造方法です。特にエンジンのシリンダブロック等の大型で複雑な形状の部品をダイキャストで製造する場合は、鋳造欠陥が生じやすいため、事前にCAEによる湯流れ解析が行われます。CAEの検証には、充填中の溶湯のデーターが必要ですが、通常用いられる熱電対では、接点が溶湯温度に達するまでの時間が長くかかるため正確な温度測定は難しく、精度の高いCAEには使えないという問題がありました。

当社は、前記した様な高速応答性が必要な用途向けに光ファイバー温度計を販売しております。光ファイバー温度計は、通常の放射温度計におけるレンズの代りに、光ファイバーを取り付けた構造になっており、光ファイバーの先端に入射した赤外線で測温を行います。 放射温度計の原理で計測するため、高速応答性を有しています(測温間隔は0.01秒)

小型装置 光ファイバー部
小型装置
光ファイバー部
(FIMT:金属管被覆光ファイバーケーブル)
図1 小型の光ファイバー温度計外観と光ファイバーの構造(光ファイバー長:10メートル)

この温度計を用いて金型に流れ込んだ溶湯の温度を測定する際は、金型に設置した貫通穴に光ファイバーを通し、その先端を金型の内表面に配置して、端面だけ溶湯に接するようにセットします。光ファイバーの素材は、石英ガラス(軟化温度約1700℃)であるため、600℃前後のアルミニムの溶湯が接触しても、ほとんど損傷を受けません。また溶湯に接するのはファイバーの先端だけですので、製品に鋳込まれることはなく、捨て打ち(金型昇温用の鋳造)から実稼動まで、連続して複数回の測温を行うことができます。

図2 光ファイバー温度計によるダイキャストの
図2 光ファイバー温度計によるダイキャストの
温度測定例

現状の光ファイバー温度計は1チャンネルですが、多チャンネル測定を行いたい場合は、図1に示す小型装置(光ファイバー長10メートル)を複数台並べることにより対応することができます。

この温度計の適用事例を図2に示します。湯口の左右に光ファイバーを配置すれば、到達時間差から、溶湯の偏りの調査が可能です。また湯口の反対側での溶湯の最高温度の測定が可能です。

上記した様に、光ファイバー温度計を使って、金型内の溶湯温度を正確に把握することができれば、CAEによる湯流れ解析の精度は向上し、部品の製造歩留まり向上、軽量化、高性能化につなげることが可能です。

ご興味があれば、遠慮なくご連絡ください。

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