No.39「樹脂・複合材料評価センター(1)」 ~炭素繊維表面官能基の定量分析~

No.39
樹脂・複合材料評価センター(1) ~炭素繊維表面官能基の定量分析~
Quantitative Analysis of the Functional Groups Existing on Carbon Fiber Surface

はじめに

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、軽量かつ高強度であるため、金属を代替できる材料として、航空機・自動車のみならず、土木・建築等の多くの産業分野において注目されています。CFRPの強度は、同じ繊維長の場合には、炭素繊維(以下CFと略記)とマトリックス樹脂との界面の接着力に強く依存するため、これをいかに高めるかが、製品開発のキーテクノロジーとなっています。

炭素繊維表面に存在する官能基の分析方法と課題

CFと樹脂との接着力を高めるため面に存在する酸素原子を含む官能基が、接着力の向上に効果的であることが明らかになっています。CF表面を、光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy)で分析し、CやOのスペクトル解析により官能基を定性評価する方法が知られています。

しかしこの方法は、官能基種の特定や定量測定に課題があります。そこで当社では、カーボンブラックなどの炭素材料の官能基分析手法として知られている「酸塩基滴定」;Boehm法 ( H.P.Boehm: Advances in Catalysis, 16 (1966), 179. ) を使ってCF表面の官能基の種類と量を明らかにする手法を確立しました。

炭素繊維表面に存在する官能基の定量分析

独自の前処理方法により、CFの酸性官能基を塩基性溶液で中和し、次に、未反応分の塩基性溶液を酸性溶液で逆滴定します。すなわち、CFの酸性官能基を中和した塩基性溶液を定量することにより、CF表面の酸性官能基量を定量することができます。定量したい官能基の種類に応じて、酸性度、塩基性溶液種を選定し、CF表面の各種官能基を別々に定量分析することができます。測定例を図1に示します。

図1 CF(炭素繊維)の表面官能基測定例
図1 CF(炭素繊維)の表面官能基測定例

おわりに

当社では、CFと樹脂との界面接着強度の測定やCFRPと金属材料との接着・剥離に関する評価など、各種複合材料の強度発現メカニズムに着目した視点から評価方法をご提案致します。どうぞお気軽にご相談下さい。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部

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