樹脂・複合材料の組成分析・構造解析

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炭素材料の表面官能基分析

性能向上のために使用する炭素材料のキャラクタライズでお困りではありませんか?カーボン材料の表面官能基が定量できれば、カーボン材料を効率よく選定できます

リチウムイオン二次電池の負極、燃料電池の電極やセパレーター、キャパシター用電極、さらにはCFRP中の炭素繊維など幅広い用途に炭素材料が使用されています。

炭素材料の表面官能基は、電気特性(電気容量、電気抵抗)を左右し、電池の寿命にも影響します。またCFRPに使用される炭素繊維の表面官能基は、樹脂との接合強度の向上、CFRPの強度向上を実現します。

分析手法

酸塩基滴定法Boehm法により全酸性官能基、強酸性官能基、フェノール性水酸基、アミド基を定量します。

カーボン表面官能基の分析事例

サンプルに水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを個々に加え、「電位差自動滴定装置」により、塩酸溶液を用いた逆滴定を行う(不活性雰囲気下)。

(1)全酸性官能基量(全酸量):水酸化ナトリウム添加した条件下での塩酸溶液消費量
(2)強酸性官能基量(カルボキシル基量):炭酸水素ナトリウム添加条件下での塩酸溶液消費量
(3)弱酸性官能基量(フェノール系水酸基量):全酸量-カルボキシル基量

    • カーボン材料の表面官能基量測定は、機能性材料としての特徴が捉えられるだけでなく、製造工程における製品管理にも有効です。
      測定の一例(表1)
      改良品カーボンB, Cは従来品Aに比べて、全酸量が多く、電気的反応性が高いとみられます。
表1 Boehm法によるカーボン表面官能基の分析
サンプル 全酸量
〔mmol/g〕
フェノール系水酸基
〔mmol/g〕
カルボキシル基
〔mmol/g〕
A:従来品 0.18 0.17 0.01
B:改良品 0.44 0.34 0.10
C:改良品 0.52 0.40 0.12

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用炭素繊維の表面官能基分析事例

炭素繊維の特徴と表面官能基の役割

  • CFRPは強度と弾力性に富み、軽量性に優れるため、航空機や人工衛星、ロケットなどの構造部材に使われる先端複合材料です。
    しかしながら、構造部材としての優れた特性を確保するためには、樹脂と炭素繊維を特殊な成型技術で一体成型する事が重要です。特に、CFRPを構成する炭素繊維と樹脂との接合強度の確保は、成型品の特性を左右する重要な技術の一つです。
  • 以前から、炭素繊維の表面官能基量を制御することにより、樹脂との接合強度を確保できる事が知られておりましたが、炭素繊維の表面官能基量を正確に測定することは難しいとされていました。
    当社では、炭素繊維の表面官能基を、カルボキシル基、 フェノール性水酸基、塩基性官能基に分類し、各々を安定して定量するための手法を鋭意検討し、特殊な前処理方法を開発しました。

炭素繊維の表面官能基測定例

    • 炭素繊維の表面官能基分析方法
    • 酸あるいはアルカリによる
      炭素繊維の前処理

      反応物質回収

      電位差滴定による逆滴定

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