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No.40「磁気特性の評価技術(4)」
JFE-TEC News No.40号 樹脂・複合材料評価センター(2) 他 記事一覧
No.40 樹脂・複合材料評価センター(2) 他
磁気特性の評価技術(4)~3軸ホールセンサによる表面磁束密度分布評価~
Measurement of Magnetic Flux Density Distribution on Surface by 3-axis Hall-effect Sensor
はじめに
自動車から電子機器にいたるまで幅広く使われている永久磁石の電磁構造設計においては、基礎的な磁気特性評価の他に、実際に使用する形状または実機に組み込んだ状態での評価が必要になります。例えば、永久磁石が埋め込まれたIPMモータでは磁石の形状・配置・空隙などの違いにより、ロータ(回転子)表面の磁束密度分布は大きな影響を受けるため、精度良く3次元的に磁界を測定することが重要になります。
表面磁束密度の3次元評価技術
当社が実施している表面磁束密度分布測定においては、局所磁気特性可視化装置に搭載された微小な3軸ホールプローブを使用しています(写真1)。本装置の特徴として、レーザー距離計と精密なロボット制御により、従来困難であった特殊な形状をした磁石やロータコアの表面形状に沿った測定が可能であるという点が挙げられます。写真2は表面が複雑な特殊磁石について周方向に空間の磁束密度を測定した結果です。表面形状を反映して空間磁界を高精度に測定することができています。また写真3に示す様に、永久磁石の表面をX, Y, Z方向同時に測定することにより、表面磁束密度の2次元、3次元分布や測定点における磁束の向きを求めることができます。当社の技術を用いることによって、今まで正確に把握できなかったモータ微小領域の磁界や電子機器における漏れ磁束の向き・大きさなどを測定することが可能となり、電磁応用機器の高効率・小型化に向けた電磁構造設計や磁界解析に適用できます。
写真1 3軸ホールプローブ |
写真2 特殊形状磁石の表面磁束密度分布 |
写真3 円柱磁石の表面磁束密度分布 |
おわりに
当社は永久磁石材料における評価技術で、材料の基礎的な特性から実部品での磁気特性評価、さらにナノ領域における物理解析・分析技術にいたるまで幅広くご要望にお応えします。是非お気軽にご相談下さい。
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