磁性材料、モータ評価

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硬磁性材料の磁気特性評価

硬磁性材料(硬磁性体)とは

一度、飽和磁化まで強い磁界を印加すると外部磁界を取り除いても磁化した状態が残り、保磁力がとても大きな材料です。

  • 主な硬磁性材料:ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石)などの希土類磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石
  • 主な用途:IPM(インテリア・パーマネント・マグネット)モータ、スピーカー、MRI、アクチュエータなど

硬磁性材料の評価・試験

硬磁性材料の試験方法

電磁石型B-Hトレーサー

永久磁石の磁気測定方法には主に電磁石型B-Hトレーサー、振動試料型磁力計(VSM)、パルスB-Hトレーサーがあります。

当社の電磁石型B-Hトレーサーではパーメンジュールを使用したポールコイルで試料の上下面をはさみ直流磁界を印加します。磁化過程における磁束密度 Bや磁気分極 Jの変化は専用のJ-Hコイルによって検出され、図のような減磁曲線を測定することにより、残留磁束密度Br、保磁力HcjHcb、最大エネルギー積(BH)maxなどを評価します。

局所磁気特性可視化技術(3軸ホールプローブ)

磁石単体や磁石埋込型ローターの表面磁束密度測定、電子機器等の漏れ磁束測定にはガウスメータ(テスラメータ)がよく使用されます。これら空間磁界の分布は材料形状や配置、周囲の構造によって大きく影響を受けるため、精度よく3次元的に測定することが重要になります。

当社の実施している空間磁界強度測定では、プローブ先端に3つのホールセンサを埋め込んだ3軸ホールプローブを使用しています。3つのセンサでX, Y, Z方向同時に測定をすることにより、磁界強度分布や向きを評価することができます。

装置写真
局所磁気特性可視化装置

硬磁性材料の評価・試験事例

永久磁石特性評価

JIS法に準拠した永久磁石特性測定

電子機器の小型モータから自動車や空調に使用されている比較的大きなモータ、発電機まで永久磁石の用途は拡大しています。これら永久磁石を用いた機器の特性および安定性の向上には磁石特性の正確な測定が重要になります。

当社の設備では、JIS C 2501永久磁石試験法に準拠して、円柱または角柱状の試料を電磁石型磁化器のポールピースではさみ、直流磁場を印加します。専用の J(B)コイルによって磁気分極 J で表すJ-H減磁曲線や磁束密度Bで表すB-H減磁曲線、履歴曲線を測定します。

また、あらかじめ試験装置外で超伝導コイルまたはパルス磁化器を用いて着磁された試験片の磁気特性も測定可能です。

評価内容

装置概要
装置 電磁石型B-Hトレーサー
対象 希土類磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石
最大印加磁場 2400 kA/m
磁極間距離 2~60 mm
測定項目 減磁曲線、履歴曲線、残留磁束密度(Br)、保磁力(Hcb、Hcj)、最大エネルギー積(BH)max、Hk/Hcjなど

市販永久磁石の磁気測定例

  • アルニコ磁石の磁気測定例
    寸法(mm) Φ13.0×12.0
    Js(T) 1.4
    Br(T) 1.3
    HcB(kA/m) 52.7
    Hcj(kA/m) 53.3
    BHmax(kj/m3 42.7
  • アルニコ磁石の磁気測定例
    アルニコ磁石B(J)-H曲線
  • ネオジム磁石の磁気測定例
    寸法(mm) Φ20.0×10.0
    Br(kG) 13.7
    Hcb(kOe) 12.8
    Hcj(kOe) 14.4
    BHmax(MGOe) 45.4
  • ネオジム磁石の磁気測定例
    ネオジム磁石の減磁曲線

3軸ホールプローブによる表面磁束密度のベクトル分布評価

3軸ホールプローブによる磁石の表面磁束密度分布

局所磁気特性可視化装置では磁石単体や磁石埋込型コアの表面磁束密度を測定する3軸ホールプローブを搭載しています。

本装置ではレーザー距離計と精密なロボット制御により、特殊な形状をした磁石やロータコアの表面形状に沿って測定するギャップ一定モード、初期に設定した対象とセンサ距離を一定のまま測定する定位置測定モードが選択可能です。またCCDカメラを利用することにより測定領域の選択やメッシュ作成が簡易的に設定可能です。測定結果の表示では、X, Y, Z方向の測定値をはじめ、2D表示や3D表示さらにベクトル表示と多様な表示機能を備えています。

測定装置の概要及び測定事例

装置構成 局所磁気特性可視化装置に3軸ホールプローブを搭載
測定対象 磁石、磁石埋込型コア(最大測定高さ110mm)
検出系 3軸ホールプローブ
位置制御系 空間精度 ±0.01mm、角度精度±0.005°
測定項目 X, Y, Z方向磁界強度
表示機能 表面磁束密度分布、3-D表示、ベクトル表示
  • 円柱磁石のメッシュ設定
  • センサープローブ

メッシュ設定画面:円柱磁石の上面ギャップ1 mmでの測定、メッシュ400点

上の図は各センサにおけるメッシュ範囲の強度分布を示し、下の図はx,y平面をメッシュ座標に、z方向を磁界強度として3D表示したものです。図中の|B|は|B|=(Bx2By2Bz2)1/2を示しています。

ネオジム磁石の物理解析技術・評価

ネオジム磁石の粒界相解析、結晶方位解析などの物理解析も対応いたします。

当社ナノ材料評価解析技術でご対応いたします。

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