No.44「磁気特性の評価技術(5)」

No.44
磁気特性の評価技術(5) ~永久磁石の渦電流損評価~
Measurement of Eddy Current Loss of Permanent Magnet

はじめに

永久磁石を組み込んだ回転機は自動車・家電・産業用など様々な分野に使用されています。近年これらの回転機に多く使用されている希土類系焼結磁石はフェライト磁石に比べて電気抵抗が低いため、磁石に発生する磁束の変動により渦電流が生じやすくなります。その結果、渦電流によるジュール熱(渦電流損)が増加し、磁気特性が劣化(熱減磁)する可能性が高くなります。そのため回転機を設計する際には、永久磁石の渦電流損失を事前に把握しておくことが必要になります。

永久磁石の渦電流損評価技術

図1 装置外観写真
図1 装置外観写真

永久磁石の渦電流損評価では、図1に示すC型コアの磁極間に永久磁石を挟み込み、任意の周波数および磁束密度における損失を電力計によって測定します。その際、測定される損失には磁石の渦電流損の他に、磁石のヒステリシス損、C型コア材の鉄損等が含まれます。そこで、コア材料に極薄電磁鋼板を使用することによってC型コア材の鉄損の影響を極力少なくする構造にしています。図2に永久磁石を2分割した前後の鉄損およびヒステリシス損とそれらから算出される渦電流損を示します。ヒステリシス損は分割前後でほとんど変化しませんが、渦電流損は分割することにより損失が減少することがわかります。

当社の技術を用いることによって、今まで把握することが困難だった永久磁石の交流磁気損失を評価することが可能となり、モータの高効率・小型化が実現できます。

試料:Nd-Fe-B焼結磁石(Niメッキ)/着磁:熱消磁済 鉄損の周波数依存性
鉄損の周波数依存性
ヒステリシス損の周波数依存性
ヒステリシス損の周波数依存性
渦電流損の周波数依存性
渦電流損の周波数依存性
図2 Nd-Fe-B系焼結磁石の磁気損失測定結果

おわりに

当社は永久磁石材料における評価技術で、材料の基礎的な特性から実部品での磁気特性評価、さらにナノ領域における物理解析・分析技術にいたるまで幅広くご要望にお応えします。是非お気軽にご相談下さい。

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