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No.50「振動試験中の動的挙動計測(1)」

No.50 振動試験 特集号

振動試験中の動的挙動計測(1)~赤外線カメラによる応力測定・評価技術~

はじめに

振動試験の実施時に、赤外線カメラを用いて試験体の応力分布を測定・評価する技術を開発しました。本技術は非接触で簡便に二次元応力画像が得られ、製品設計や振動特性評価、疲労の原因調査などに有効です。

測定事例

写真1 赤外線カメラによる測定状況(ECU)
写真1 赤外線カメラによる測定状況(ECU)

車載用のECU(Engine Control Unit)を共振点で振動試験した際の赤外線カメラによる測定状況を写真1に、応力分布の測定結果を図1に示します。

1次共振点の結果は試験体の中央付近に応力が集中しているのに対して、3次共振点の結果は2箇所(右上:圧縮、左下:引張)に応力が分布しており、対角線上に振動の節が見られます。また、試験体の拘束部(ネジ部)に応力集中があり、最大応力を比較すると、3次共振点(応力値:36 MPa)の場合が、1次共振点(応力値:24 MPa)の1.5倍であり、より厳しい条件となります。

図1 ECUの応力測定結果
図1 ECUの応力測定結果

このように、共振点における振動モード(形状、振幅)およびその時の発生応力の把握・評価ができます。今回ご紹介したECU筐体の応力測定以外にも、電子部品内部の端子などの振動耐久性の弱い部分の共振による応力の把握・評価が可能です。

おわりに

赤外線カメラによる応力測定は、二次元の測定であるため、実際の振動試験中の応力集中部が明確になります。耐久試験で疲労破壊に至らない箇所や、設計段階で注目していない応力集中箇所も把握できます。応力の振幅と位相差から応 力分布の時間変動を解析でき、疲労のメカニズム解明にも役立ちます。

当社では、お客様の目的に合わせ、最適な測定・評価方法をご提案し実施いたします。ぜひお気軽にご相談下さい。

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