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No.56「粉粒体の流動解析」

No.56 小特集:食品・バイオ評価技術

粉粒体の流動解析~数値流体力学(CFD)と離散要素法(DEM)による粒子挙動解析~
Particle-fluid Flow Simulation of Particulates using Computational Fluid Dynamics (CFD) and/or Discrete Element Method (DEM)

はじめに

食品・バイオ分野の製造プロセスでは多くの粉体・粒状体が扱われています。粉粒体の動きを再現する流動解析により、運転条件の最適化、装置の改善・スケールアップ検討の効率化が期待できます。

当社では、粉粒体流動解析に2つの手法を用いることで、表1に示す広範囲の対象を解析することが可能です。

表1 当社における粉粒体流動解析の実施状況(抜粋)
分類 解析手法 解析対象
希薄系 数値流体力学(CFD)に基づく粒子-流体解析 サイクロン、噴霧乾燥、配管磨耗、粉塵飛散、など
濃厚系 離散要素法(DEM)または、CFM-DEM連成 粉体排出、流動層、配管閉塞、粒子コーティング、など

数値流体力学に基づく解析

粒子濃度が希薄な系では、流体中に分散した粒子は周囲流体の影響を受けるため、流体挙動を考慮した粒子挙動解析が必要です。

数値流体力学(CFD)に基づく粒子‐流体シミュレーションによる噴霧乾燥機の解析例を図1に示します。熱風中に噴霧した液滴が蒸発し、粉体を生成する過程を模擬しています。質点系の粒子モデルを適用し、粒子と流体の運動、伝熱、および液滴の相変化(蒸発)を連成して解析します。

その結果、粒子軌跡のほか、粒径や含水率の変化、気流の温度・湿度分布を予測・評価することができます。

離散要素法による解析

粒子濃度が濃厚な系では、粒子同士および粒子と壁の衝突・接触が無視できず、これらの相互作用を考慮する必要があります。

そのような粒子の扱いに適した離散要素法(DEM)による容器内の粉体挙動の解析例を図2に示します。安息角を調整した2種類の計算粒子を用いることにより、粉体の排出速度や流動パターンの違いを評価できます。

なお、実際の粒子は非球形で、粒度分布もあり、さらに計算上の粒子数の制限があるため、計算粒子の調整が非常に重要です。

おわりに

このように、上記の解析はさまざまな粉粒体プロセスに適用できます。食品・バイオ製品の効率的な生産に向けての解析をお気軽にお問合せください。

図1 噴霧乾燥機の解析例(含水率で色づけした粒子軌跡)
図1 噴霧乾燥機の解析例
(含水率で色づけした粒子軌跡)
図2 容器からの粉体排出挙動の解析例(計算粒子の2色表示)
図2 容器からの粉体排出挙動の解析例
(計算粒子の2色表示)

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