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No.60「SEM-EDXを用いた製剤中における微細不溶性異物/凝集体の評価」
JFE-TEC News No.60号 医薬分析 特集号 記事一覧
SEM-EDXを用いた製剤中における微細不溶性異物/凝集体の評価
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No.60 医薬分析 特集号
SEM-EDXを用いた製剤中における微細不溶性異物/凝集体の評価
Evaluation of the Fine Insoluble Foreign Matter/Aggregate on Drug Product Using SEM-EDX
なぜいまこれが?
人の体内に入る医薬品の品質トラブルは、健康被害の原因となります。しかし、徹底した品質検査を行っても、100%異物の混入を防ぐことは難しいのが現状です。微量な異物でも製品効果や人体への影響が懸念されるため、どのような異物が混入しているかを調べることが重要です。
当社が取り組んでいる、製剤中の異物のイメージングと元素をとらえた一端をご紹介いたします。
これがポイント!
分散されたタンパク質溶液中に異物が混入すると、表面電位(ゼータ電位)の差により、凝集や吸着が生じることが知られています。タンパク質溶液に、異物として酸化鉄を添加した模擬実験で生じた、凝集体の分析例を図1に示します。極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)にて、加速電圧0.6kVで観察をすると、10μm程度の凝集体が確認されます。凝集体中央部を、物質の違いがわかる反射電子像で見ると、数百nmの明るいコントラストが見られます。この部分を3kV以下の低加速電圧でEDXマッピングを行うことで、明るいコントラストと対応する位置に、ナノメートルサイズのFeが分布している様子を可視化することができます。

(a)低倍の二次電子像、(b)拡大した二次電子像、
(c)反射電子像、(d)FeのEDXマッピング結果
当社では、低加速電圧下で元素を特定できるウインドウレスタイプのEDXを最近導入いたしました。ナノメートルオーダーの分析、軽元素の検出などの一歩進んだ製剤中異物の分析が可能となりました。ご好評いただいているULV-SEMとULV-EDXを駆使し、サンプルに合わせて観察条件を最適化することで、有機物を主とする非導電性の物質でも無蒸着で観察・分析が可能です。このほか、熱ダメージを受けやすいものなどは、クライオシステムを併用しての観察・分析も承っております。ご興味のある方は是非お問い合わせください。
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