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No.73「医用材料・医療機器の化学的評価」
JFE-TEC News No.73号 新評価装置・分析特集号 記事一覧
No.73 新評価装置・分析特集号
医用材料・医療機器の化学的評価
Chemical Evaluation of Medical Materials and Devices
なぜいまこれが?
国内で医療用の機器や器具を製造販売するためには、薬機法※1に基づいて、その機器または器具が人体に与えるリスクの程度に応じた届出や認証が必要になります。人体へのリスクが高いとされるのは、体内に埋め込んで使用する、あるいは比較的長期間生体内にとどめて使用する医用機器であり、これら機器の薬事承認を受けるためには、厚生労働省のガイドライン(薬生機審発0612第4号など)に基づきJISもしくはISO規格により安全性を評価することが求められています。
これがポイント!
評価項目としては、有毒元素や添加成分の含有量、溶出成分や残留成分の量、吸水性、溶解性などがあり、その用途に応じた項目が規定されています。
溶出成分の評価は、一般的に純水や生理食塩水を溶媒とした試験系で実施されていますが、当社ではその使用環境に応じた試験に対応することができます(表1)。
例えば、歯科用インプラントの場合は、口腔内で唾液や食品などの特殊な条件を模擬し、耐食性や元素の溶出挙動を化学的手法により評価します。ステントのように血液との長時間接触が考えられる器具については、血液成分である血清を溶媒に用いて試験を行うなど、より使用環境に近いデータを取得することができます。
また、分析装置としては、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)などの高感度分析法を用いて、定性分析から定量分析まで行うことができ、得られたデータを使った網羅的な解析はリスク評価の一助となります。
さらに、薬機法申請では化学的な評価結果だけでなく、分析結果を支持する関連データを求められますが、当社ではこのようなご要求にも対応できる体制を整備し、精確かつ有用な信頼性保証データの提供に注力していますので、お気軽にご相談ください。
※1 薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
対象 | 規格 |
---|---|
医用材料 医療機器 |
|
機械器具 | JIS T 3209 滅菌済み注射針 JIS T 3210 滅菌済み注射筒 JIS T 3211 滅菌済み輸液セット JIS T 3211-4 自然落下式単回使用滅菌済み輸液セット JIS T 3211-5 単回使用滅菌済み定量筒輸液セット JIS T 3211-8 ポンプ単回使用滅菌済み輸液セット JIS T 3211-9 単回使用滅菌済みチューブ JIS T 3211-10 単回使用滅菌済み輸液チューブの付属品 JIS T 3211-11 単回使用滅菌済み輸液フィルタ JIS T 3211-12 単回使用滅菌済み逆止弁 JIS T 3216 腎ろう(瘻)又はぼうこうろう(膀胱瘻)カテーテル |
歯科材料 | JIS T 6002 歯科用金属材料の腐食試験方法 JIS T 6004 歯科用金属材料の試験方法 JIS T 6101 歯科用ニッケルクロム合金線 JIS T 6102 歯科用ニッケルクロム合金板 JIS T 6104 歯科用コバルトクロム合金線 JIS T 6115 歯科鋳造用コバルトクロム合金 JIS T 6120 歯科メタルセラミック修復物の試験方法 JIS T 6122 貴金属含有量が25%以上75%未満の歯科鋳造用合金 JIS T 6123 固定性歯科修復物用非貴金属材料 JIS T 6501 義歯床用レジン JIS T 6517 歯冠用硬質レジン JIS T 6518 アクリル系歯冠用レジン JIS T 6530 歯列矯正用ワイヤ |
包装 | 日本薬局方 7. 容器・包装材料試験法 |
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