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No.77「永久磁石材料の磁気特性評価」

No.77 磁性材料のソリューション特集号

永久磁石材料の磁気特性評価~低損失磁石の評価~
Evaluation of the Low-Loss Permanent Magnet

なぜいまこれが?

地球環境の保護がますます重要視される中、環境負荷の低いEV/HEV(電気自動車/ハイブリッド電気自動車)の生産台数は増加し続けています。モータはEV/HEVのエネルギー効率を決定づける基幹モジュールであり、ロータに用いられる永久磁石は重要な機能性材料の一つになります。EV/HEV用駆動モータには、小型、高出力、高効率が求められるため、高い残留磁束密度と保磁力を持つネオジム焼結磁石が主に用いられています。一方で、近年モータの高出力密度化に伴い、モータの高回転化が進んでおり、モータ構造に起因するスロット高調波やインバータキャリア周波数の影響による磁石内渦電流損が課題となっています。このような背景もあり、ネオジム焼結磁石に比べて電気抵抗が高い、ボンド磁石やフェライト磁石に期待が高まる一方、焼結磁石において低損失な新規磁石の開発も検討されています。

これがポイント!

今回、ネオジム焼結磁石の低損失化に向けて、粒界相の電気抵抗を増加させ、粒間渦電流損の低減化を試みました。図1は、Al金属を磁石表面に圧着し、650℃、750℃、850℃にて熱処理した際の、断面Al元素分布(EPMAにて分析)を示します。650℃に対して、750℃、850℃では粒界にAlが拡散しているのが明瞭に確認できます。図2に、各温度における磁石の交流損失測定結果(周波数5kHz、最大磁束密度0.05T)を示します。熱処理温度が高くなるとともに、磁石損失が低くなる傾向を示します。この結果は、粒界相に高抵抗なAl化合物が生成され、上記粒間渦電流損の低減により磁石損失が低くなったと推定されます。当社では、磁石の損失評価に加えて、超電導コイル式VSM(最大印加磁場±5T)による広範囲温度(液体窒素温度~ 900℃)での磁気特性評価も可能ですので、お客様の目的に合わせた磁石評価を検討いたします。お気軽にご相談ください。

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