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No.78「電動機(モータ)の振動解析技術」

No.78 2023年度 新評価装置・新サービス特集号

電動機(モータ)の振動解析技術~モータにおける空隙磁束の直接計測と振動評価~
Analysis Techniques of Vibration for Electric Motor

なぜいまこれが?

自動車、産業機器等様々な分野で使用されている永久磁石同期モータ(PMSM)では、集中巻きと分布巻きの2種類の巻き線構造に大きく分類されます。集中巻きは分布巻きと比べてコイルエンドが薄いため、軸方向に小型化することが可能ですが、空隙に発生する高調波磁束が多く、トルクリプルや半径方向電磁加振力による振動・騒音が問題となる場合があります。

これがポイント!

今回、独自に開発したフィルム型探リコイル(径方向Rおよび周方向θ 磁束を検出する構造)を用いることにより、モータ駆動中における空隙磁束、特に従来計測が困難だった周方向磁束と振動の関係性を調査しました。供試モータを図1に示すモータ試験システムに取り付け、回転数1000rpm、平均トルク1.5Nmで回転させ、そのときのモータケース外周部の振動およびティース鍔部近傍の磁束密度を測定しました。図2にモータ接線方向における振動加速度の周波数成分を示します。Type-A(空隙長一定)では周波数300Hzの振動が大きく、Type-B(空隙長変化)では低減できていることがわかります。

図3に周方向の磁束密度波形(図中a)および磁束密度の周波数成分(図中b)を示します。Type-BではType-Aに比べて、急激な磁束密度変化が緩和できており、主に周波数250Hzおよび350Hzが低減できていることがわかります。空隙磁束密度の高次成分はトルクリプルや半径方向電磁加振力に影響すると考えられ、特に5次、7次のような(6n±1)次成分により、6n次のトルク高調波を発生させることが知られています(1-2)。以上の結果から、300Hzで見られた振動加速度の抑制は、磁束密度の5次、7次高調波成分の低減による効果と考えられます。フィルム型探リコイルはモータによってカスタマイズ製作可能ですので、お気軽にご相談ください。

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