JFE-TEC News
No.79「AIと近赤外カメラを組み合わせた異物検査システム」
JFE-TEC News No.79号 最近の計測装置特集号 記事一覧
No.79 最近の計測装置特集号
AIと近赤外カメラを組み合わせた異物検査システム〜高度な異物混入検査や水分量測定が可能〜
Advanced Contamination Inspection and Moisture Content Measurement
なぜいまこれが?
異物混入は食品製造メーカでの品質管理上、重要な管理項目の一つとして位置付けられています。近年ではSNSの普及によってその影響や対策の重要性が増しており、異物検査として金属探知機や色彩選別機、X線検査装置等に加え、人の目視による検査が行われています。さらに、異物検査の性能向上や目視検査の自動化を行うための取り組みが進められています。
当社では検出が難しいとされていた食品と同色の非金属異物(樹脂や糸くず、毛髪等)が検出可能な異物検査装置を開発しました。
これがポイント!
開発した検査システムの概要を図1に、検査ソフトの画面を図2に示します。本システムは、近赤外の特定の3波長を撮像する独自のカメラ(近赤外3波長カメラ:NIRカメラ)と画像検査用のカラーカメラで検査しております。近赤外3波長カメラは、近赤外領域での吸収特性の違いを画像化することができるため、素材の成分が異なる異物を検出します。カラーカメラでは通常の画像検査同様に、成分に関係なく色に違いのある異物を検出します。この2種類のカメラの画像に対して、通常の異物判別基準に加え、深層学習(Deep Learning: DL)を用いたAIによる異物判定機能を加えることによって、より高性能な異物の判定を可能にしました。例えば、従来は難しかった毛髪や糸くずなどの異物の検出ができます。AIの判別処理には時間がかかりますが、2台のカメラに対してそれぞれGPUを設けることで40m/minの搬送速度での検査が可能です。
また、近赤外3波長カメラで測定している波長は、水に吸収されやすい波長も含んでいるため、水分量を推定することもできます。このため、水分量の2次元分布を得ることができ、部分的な水分量や乾燥度合いの違いを検査することができます。
異物検査や水分量検査などの品質検査にご関心をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
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