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No.46 はんだ接合界面の金属間化合物層観察

"KTEC News"は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

写真は、電子部品プリント基板回路の端子はんだ接合部を断面観察した例です。観察試料を樹脂に包含後、研磨およびイオンミリングにより断面をきれいに調製し、走査型電子顕微鏡(FE-SEM)にて端子はんだ接合界面を観察しました。

はんだ接合界面は、上層から順に、はんだ中のSn、はんだ中のSnとプリント基板配線のCuとの相互拡散で生成された金属間化合物のCu6Sn5、Cu3Snおよびプリント基板配線のCuとなっています。SnとCuとの金属間化合物は2層生成されています。プリント基板配線側のCuリッチのCu3Sn層には、原子の拡散速度の差異によって発生するカーケンダルボイド(写真中矢印)が確認されています。このカーケンダルボイドが成長するとクラックに発展し、はんだ接合が破壊されて故障の原因となることがあります。

はんだのような軟質材料の断面を研磨することは、従来難しいとされてきたのですが、研磨技術の工夫によって微小な断面を鮮明に観察できるようになりました。

このような観察が適用されるようになった背景は、携帯電話やノート型パソコンなど携帯情報機器のダウンサイジングです。ダウンサイジングに対応して、デバイスの小型化やプリント基板回路の高密度実装技術の確立が不可欠となっています。基板回路の実装が高密度化することで、はんだ接合技術もファインピッチ化が進み、それにともなって、はんだ接合面積が小さくなり、熱疲労によるはんだ接合部破壊が問題となっています。

はんだ接合部の熱疲労状態の観察や研究開発にともなうはんだ接合部の評価法として断面観察が一般的に用いられています。はんだ接合部破壊の問題解決に、写真に示したような接合部観察技術が広く適用されることが期待されます。

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