ニュース
2021年02月04日
個別環境に対応した飛沫・換気シミュレーションサービスを開始~感染拡大防止対策支援の一環として~
JFEテクノリサーチは、計測・プロセスソリューション本部CAEセンターにおいて、コロナ禍の感染拡大防止策で関心が高まる、飛沫・換気の数値シミュレーションサービスを開始いたしました。
飛沫・換気のシミュレーションでは、対象とする空間とその中の人や物の形状をコンピュータ上に再現し、流体の数値解析技術を用いて、気流および飛沫などを模したエアロゾル粒子の動きを計算します。最近報じられている、スパコンによる大規模シミュレーションが公共施設や交通機関の一般的環境を対象としているのに対し、本サービスは、簡略化した比較的小規模なモデルにより、個別環境のシミュレーションを提供します。(参考資料 図1、図2を参照ください)
既にサービスを提供しているサーモビューアによる気流の可視化技術と併せ、気流測定とセットでのシミュレーションの提供が可能となりました。
当社は、このようなCAEと計測を融合したソリューションの提供に一層努めてまいります。
参考資料
当社の飛沫・換気シミュレーションの特長
飛沫・換気シミュレーションでは、対象とする空間の温湿度や気流環境を適切に模擬することが重要です。最近話題となっているスパコン「富岳」による詳細なシミュレーションは、教室や通勤列車などの一般的な室内環境での対策において有用な知見を与えていますが、目的によっては、より簡略化したシミュレーションでも十分に役に立つ場合があります。また、条件が大きく異なる個別の環境に対しては、都度シミュレーションを行う必要があります。そこで、当社は、汎用解析ソフトなどを駆使し、適切に簡略化したモデルによる実用計算を提案します。お客様毎の個別環境を反映したシミュレーションにより、現状の問題把握や対策の評価に有用な情報を提供します。
図1、図2は小規模モデルによるシミュレーションの例です。当社は、このように簡略化した小規模モデルによる、迅速、かつ安価なシミュレーションの提供に努めます。
また図1に示した呼気の流れの可視化画像は当社が提供しているサーモビューワによる測定結果です。これは当社独自の「短時間ロックイン解析技術」により極微小な空気の温度ムラを検出することにより可能となったものです。シミュレーション結果と比較検討が可能です。
このサービスにより、オフィス、店舗、病院、車内などにおける飛沫対策、換気改善の提案ができ、感染症予防にも貢献できるものと期待されます。また、屋内だけでなく、屋外を対象とした砂や粉塵の飛散解析にも適用でき、住宅地・工場の粉塵飛散対策検討などに貢献いたします。
図1 オフィス空間における飛沫シミュレーションの例
(飛沫シミュレーション動画はこちらから)
※空気齢:室内に流入した空気の経過時間に相当する指標。
値が小さいほど、換気が良好であると評価できる。
図2 会議室の換気対策シミュレーションの例
関連リンク・関連記事
このページに関する
お問い合わせはこちらから
- JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部
- 0120-643-777