No.59「高機能材料開発のためのナノ解析技術(3)」

No.59 小特集:ナノ解析
高機能材料開発のためのナノ解析技術(3) ~サブミクロンスケールの三次元構造解析(FIB-SEMトモグラフィ法)~
FIB-SEM Tomography for Sub-micrometer 3D Reconstruction

なぜいまこれが?

集束イオンビーム(FIB)と走査電子顕微鏡(SEM)を組合せたFIB-SEMトモグラフィ法は、高機能材料の数マイクロメートルから数10ナノメートルの三次元構造を可視化する手法です。本手法は、ミリからマイクロメートルまでのX線CT法と、ナノレベルでの透過電子顕微鏡(TEM)トモグラフィ法の間を担う重要なツールとなっています。本手法が成功するかどうかは、可視化すべき材料の構成要素をSEM像のコントラストでいかに識別できるか、にかかっています。従来技術ではこの物質識別能が不十分なことで、年々増加する高機能材料の三次元構造可視化の要求に応えられないケースが多々ありました。

これがポイント!

当社では、極低加速電圧SEM(ULV-SEM)観察技術により様々な物質を高い空間分解能で識別する技術を確立してきました(Topicsご参照)。今回、最先端のULV-SEM機能と高性能FIBを兼ね備えた装置を導入することで、複雑な微細構造を有しSEM像のコントラストが付きづらかった材料の三次元構造再構築を可能にしました。

セルロースナノファイバー(以下、CNF)とバインダーの混合物をシート状に成膜した複合材料の解析例を紹介します。CNFとバインダーはいずれも炭素を主とする材料であるため、SEM像では通常区別できませんが、特殊処理とSEM観察条件の最適化で、CNF部を明るいコントラストとして識別することに成功しました(図1)。CNF部は水平方向に伸びたドメイン構造を有していることがわかります。信号強度を多値化処理することで、CNF、バインダー、および空隙の三次元分布を明確にすることができ(図2)、数値解析により各構成要素の体積率等を求めることも可能です。

図1 FIB加工面のULV-SEM像(左)と多値化による構成要素の分類(右)
図1 FIB加工面のULV-SEM像(左)と多値化による構成要素の分類(右)

図2 一部をセグメント化した三次元再構築像
図2 一部をセグメント化した三次元再構築像

本技術を用いて、さまざまな材料の三次元構造可視化が可能になっています。ご興味のある方は是非お声かけください。

このページに関するお問い合わせはこちらから

  • お問い合わせ
  • ご依頼の流れはこちら

JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部