No.59「高機能材料開発のためのナノ解析技術(4)」

No.59 小特集:ナノ解析
高機能材料開発のためのナノ解析技術(4) ~極表層・ナノ領域の元素イメージング(極低加速SEM-EDX)~
Surface Elemental Imaging with High Spatial Resolution (ULV-SEM-EDX)

なぜいまこれが?

高機能材料表面における微細構造の観察および物質や状態の識別を目指して、当社は極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)を駆使した表面可視化技術を開発してきました(Topicsを参照)。一方、SEMとエネルギー分散型X線分光器(EDX)を組合せた元素分析は、加速電圧を高めに設定する必要があり、ULV-SEMの高分解能イメージに対応した元素分析をおこなうことが困難でした。高機能材料における表面処理技術やナノ物質利用技術が急激に進歩している今、ULV-SEMの像に直接対応した、数~数10ナノメートルのサイズ・厚みの物質の元素分析ニーズが急増しています。

これがポイント!

ULV-SEMの観察条件で元素分析をおこなうことができる高感度新型ウィンドウレスEDXをオックスフォード・インストゥルメンツ社と連携して日本で初めて導入しました。極低加速条件でSEM像観察と同時に元素分析をおこなうことで、極表面の微細構造に対応した元素分布を可視化することを実現しました。Cr-Mo鋼中の微細な析出物を、加速電圧 1.5 kVで観察および分析した例を図1に示します。数ナノメートル以上の析出物の存在と複合状態を、反射電子像とほぼ同じ空間分解能で元素情報として捉えることに成功しました。SEM-EDXの高い自由度・広範囲の分析能力に、透過電子顕微鏡(TEM)に迫る高空間分解能での分析力が加わりました。ナノ物質やナノ構造を利用した高機能材料の評価に最適です。

低エネルギーEDX元素分布像
低エネルギーEDX元素分布像
インレンズ反射電子像
インレンズ反射電子像

図1 Cr-Mo鋼中の析出物の元素分布像(a)とインレンズ反射電子像(b)
加速電圧を1.5 kVとして同一条件で得られた

この検出器は、低エネルギーのX線に対して従来装置の約500倍という圧倒的に高い相対感度を有しています(Si L線の場合)。高機能材料で重要なBやNといった軽元素の分析にも適しています。

多方面で高評価をいただいていますULV-SEM観察技術に加えて、お客様のソリューションを鑑みて本技術を提案していきます。ご興味のある方は是非ご連絡をお願いします。

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部