環境汚染物質分析
多環芳香族炭化水素(PAHs)の分析
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多環芳香族炭化水素(PAHs)分析の概要
多環芳香族炭化水素(PAHs)はベンゼン環を2つ以上有する芳香族炭化水素の総称です。原油中に存在しており、燃焼時に副産物として発生する化合物です。PAHs の中には発がん性や遺伝子変異性、内分泌撹乱作用を有するものがあるといわれています。自動車の多い都市や排ガスが多く放出される工場地帯ではPAHsを含む大量の排煙による肺がんや喘息等の疾患の増加が大きな社会問題となっています。
国内においてPAHsの規制はされていませんが、環境省により水環境試料(水質、底質、水生生物)に対する「要調査項目」として挙げられ、「要調査項目等調査マニュアル」(平成16年3月)に基づいて調査が行われています。 また、大気環境試料においては大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径2.5μm(以下「PM2.5」)の組成を「大気中微小粒子状物質 (PM2.5) 測定方法暫定マニュアル改定版」 (平成19年7月)に基づいて測定することになっています。 また、「有害大気汚染物質」(低濃度であっても長期的な摂取により健康影響が生ずるおそれのある物質)に該当する可能性のある物質として234種類、そのうち特に優先的に対策に取り組むべき物質(優先取組物質)としてPAHsであるベンゾ(a)ピレンが含まれています。大気中PAHsの分析は有害大気汚染物質測定マニュアルに沿って行います。
- トピックス
- ・GSマーク認証のPAHsリストが16物質から18物質に変わりました。(2012.7)
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・GSマーク認証にPAHsが追加されました。(2008.4)
GSマーク認証とは、ドイツの機器安全法で定められている法律に基づいた、玩具・自転車・ヘルメット・家具・家庭用電気・機械製品などの安全認証のことを言います。
2008年4月よりGSマーク認証にPAHs評価が加えられ、製品認定の際にPAHsについて評価を行わなければならないことになりました。口に入れたり接触したりする可能性があるものが対象でPAHs試験が不要と判断される場合もあります。
表1 GSマーク認証PAH評価(ドイツ GPSG法)対象物質
化合物名 | 規制値 | 分析法 |
---|---|---|
ナフタレン | 不検出 | 溶媒抽出→GC-MS あるいは高分解能GC-MS |
アセナフチレン | ||
アセナフテン | ||
フルオレン | ||
フェナントレン | ||
アントラセン | ||
フルオランテン | ||
ピレン | ||
クリセン | ||
ベンゾ(a)アントラセン | ||
ベンゾ(b)フルオランテン | ||
ベンゾ(k)フルオランテン | ||
ベンゾ(j)フルオランテン※ | ||
ベンゾ(a)ピレン | ||
ベンゾ(e)ピレン※ | ||
インデノ(1、2、3-cd)ピレン | ||
ジベンゾ(a、h)アントラセン | ||
ベンゾ(g、h、i)ペリレン |
※ はPAHs18として追加された物質です。
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- No.22(2010年1月)極微小粒子状物質の測定分析技術~ PM2.5、ナノマテリアル粒子測定技術~
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