樹脂・複合材料の不具合原因調査・解析
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の耐電蝕性評価
電解質水溶液中でのCFRP-金属間に流れるガルバニック電流値を測定し、耐電蝕性を評価します
CFRPの耐電蝕性評価の必要性
樹脂の成形金型内にねじ、ステイ等の金属を埋め込み一体成形する技術(樹脂インサート成形)が進歩し、多くの部品に使われています。CFRPもこの成形方法を軸に自動車部品への使用が徐々に拡大しています。
CFRP中の炭素繊維は、電気を通し、かつ電位が高い材料です。そのため、炭素繊維よりも電位が低い金属と接触した状態で 成型された部品は、雨や露で濡れるとガルバニック反応を起こし、電位の低い金属側に腐食(電蝕)が生じます。
CFRP化が進む航空機では既にその対策が必要とされており、将来的に自動車部品においても対策が必要になると考えられています。
そのため、CFRPの耐電蝕性を評価する事が重要になってきています。
耐電蝕性評価の概要
電位差があり、通電性のある2種の材料間には、電解質水溶液中で微小な電流(ガルバニック電流)が流れます。CFRP中の炭素繊維長や炭素繊維の含有量により電位が変化し、組み合わせる金属の種類によりガルバニック電流値が変化します。
下図のように電位とガルバニック電流値を測定する事により耐電蝕性が評価できます。
CFRPとアルミニウム合金とのガルバニック電流値の測定事例
- 1)環境:
- 5%NaCl水溶液、大気開放系
- 2)供試材:
- ①正極 CFRP板:t = 1.0mm、プリプレグ材(エポキシ樹脂系)
②負極 Al合金板:t = 0.8mm、5052材
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