医療機器・インプラント材料評価
医薬品製造用部材の溶出試験
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米国薬局方USP<665><1665>に収載予定の試験法に準拠した溶出試験を実施いたします。
医薬品製造用部材からの溶出物と品質影響
バイオ医薬品等の製造においては、培養・ろ過・精製プロセスや保管に用いる製造用部材(図1)として、コンタミネーション等を防ぐためにディスポーザブルなシングルユースのプラスチック製品が近年多く使用されています。
しかしプラスチック製品には従来のステンレス製品やガラス製品とは別の品質リスクとして、プラスチック材由来の成分の溶出が懸念されており、医薬品中に溶出した場合、医薬品の品質特性に影響する可能性があります。
このような背景を踏まえ、溶出物管理に関するガイドラインの策定が進められ、2026年には米国薬局方(USP<665>、<1665>)に試験法の収載が予定されており、溶出物管理の必要性が高まっています。
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溶出操作のシステム構築
USP<665>に準拠した溶出試験に対応するため、新たに循環法による溶出システムを構築しました(図2)。
循環法、回転振とう法、往復振とう法の3種類の溶出試験に対応できます。
図2 循環法システムの模式図 -
表1 USP<665>の溶出条件(例) 温度 40±3℃ 溶媒 (1)1/1(v/v)エタノール/水溶液
(2)塩化カリウム溶液(pH3)
(3)リン酸水素二ナトリウム溶液(pH10)期間 24h 循環速度 ≧System volume×0.1/min(1周10分以下) 溶媒蒸発割合 チューブサンプル:<20%
その他:<50%
(20%以上の場合は補正要)
溶出液の元素分析
溶媒ごとに元素分析を行い、65元素の分析が可能であることを確認しました(図3)。また、実サンプルとして純水のろ過フィルターを用いた溶出試験を実施し、溶出元素評価を行いました(表2)。
自社での製品特性把握や医薬品メーカー様向けのデータ取得など、医薬品製造用部材の溶出試験をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。
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図3 測定可能な元素例(赤色) -
表2 溶出元素分析結果 溶媒 溶出元素及び濃度*
(μg/L)(1) B: 2,Mg: 1,Ca<20,
Al,Sr<2,その他<1(2) Al: 2,Ca<20,Rb,Sr<2,
その他<1(3) Ca<20,Al,Sr<2,Rb<1,
その他<1*測定溶液中濃度
(1)1/1(v/v)エタノール/水溶液
(2)塩化カリウム溶液(pH3)
(3)リン酸水素二ナトリウム溶液(pH10)
作業の流れ
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