磁性材料、モータ評価
モータリバースエンジニアリング
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リバースエンジニアリングとは
リバースエンジニアリングとは、出荷された製品を入手して分解や解析などを行い、その動作原理や製造方法、設計や構造、仕様の詳細、構成要素などを明らかにすることです。モデルや製品をマスターにして、3D-計測においてその形状を3D-CAD化することで、そのデータを基に企画から生産技術までのイノベーションプロセスに、高度な製造技術を取り入れることができます。3D計測によるモノづくりは、新製品開発期間の短縮に利用されています。3Dデータにする事で様々なシミュミレーション、解析、評価、試作、製作まで一貫した設計手法を行なうことが出来ます。
当社のモータリバースエンジニアリングの特長
リバースエンジニアリングにおける重要点は、いかに正確に元の機器の特性を数値予想できるかにあります。モータ使用材料および重量を特定するだけの解体では、モータ効率/出力に関わる心臓部分である磁性材料(永久磁石/電磁鋼板)を磁気的に損傷させてしまい、正しい磁気特性の評価ができなくなりますが、当社のリバースエンジニアリングでは、永年磁性材料に接してきた経験を活かし、磁性材料を損傷させず、最終の出力特性まで真の値を評価できます。
なお、当社のリバースエンジニアリングの主対象は主に電気自動車で用いられている磁石モータですが、小型モータや先進的構造である海外自動車のアキシャルギャップ型モータ等の評価も可能です。具体的には、①モータの駆動試験(効率、トルク特性等)および電流等の波形採取、②モータ解体によるステータ・ロータ・磁石・巻線等の形状寸法測定、③使用される電磁鋼板・磁石の磁気特性の測定に基づくCADデータを用い、④電磁界解析によりモータ特性の数値的予測・再現モデル化を行います。(図1)
モータの性能調査・解体・構造調査のサービスにおいて当社は他社に比べて材料調査に強みがあります。材料の組成、材料の磁気特性などの物性調査、グレード調査、それらを基にしたモータの数値解析(CAE)までのワンストップソリューションサービスとして提供しています。例えば、モータ実機を調達し、ベンチマーク試験によってモータ諸特性を実測後に解体調査をしていきます。その際、取り出した磁石のEDX分析や磁気測定、形状寸法の計測など、お客様のご要望に応じて調査することができます。それらの情報から図2に示すような数値解析モデルを構築し、モータ駆動時の諸特性を電磁界解析によって解析します。
表に示すように、モータ損失(銅損、鉄損)を実測とCAEで比較すると、概ね一致する結果が得られました。
電流(実効値)(Arms) | 銅損(直流)(W) | 鉄損(W) | |
---|---|---|---|
測定値 | 131.79 | 509.27 | 320.39 |
計算値 | 131.26 | 498.69 | 350.02 |
電流(実効値)(Arms) | 銅損(直流)(W) | 鉄損(W) | |
---|---|---|---|
測定値 | 85.35 | 214.07 | 613.89 |
計算値 | 84.64 | 207.45 | 740.87 |
これは、実測とCAEとの比較が直接的に可能であることを意味しており、モータ諸特性を高いレベルと精度で評価することにつながります。また、電磁界解析では駆動条件として仮想的に正弦波電流を適用することで、図2に示すようなモータ効率マップを導出することができます。これにより、モータの広範な駆動条件に対する諸特性を予測することができ、モータ設計の試作コスト低廉化などが図れます。
作業の流れ
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