樹脂・複合材料評価
樹脂・複合材料の組成分析・構造解析
当社の保有する種々の分析手法、ノウハウを活用して、組成分析、構造解析をお引き受けします。
化学構造解析
次のような機器分析手法を活用して構造解析を進めます。
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フーリエ変換赤外分光分析
(FT-IR, Fourier Transform Infrared Spectroscopy)
フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)法とは、物質に赤外線を照射し、透過光あるいは反射光を分光して得られる吸収スペクトルから、対象物の分子構造や状態を知る方法です。
特に、有機官能基は固有の吸収波長域を有するので、ポリマー種の同定、架橋反応、劣化反応等による分子構造変化、製品中の異物・付着物の解析等の調査に有効です。 -
フーリエ変換赤外分光分析
(イメージングFT-IR, Imaging Fourier Transform Infrared Spectroscopy)
物質に赤外線を照射し、透過光あるいは反射光を分光して得られる吸収スペクトルから、対象物の分子構造や状態を知る方法です。特に、有機官能基は固有の吸収波長域を有するので、ポリマー種の同定、架橋反応、劣化反 応等による分子構造変化、製品中の異物・付着物の解析等の調査に有効です。 -
ゲル浸透クロマトグラフイー
(GPC, Gel Permeation Chromatography)
ゲル浸透クロマトグラフイー(GPC)は、ポリマーの分子量が大きい場合には、ゲル表面の細孔への浸透(permeation)が少なく、分子量の低い分子よりも速くカラム中を移動して溶出する(size separation)原理を活用し、高分子物質の分子量分布、および平均分子量分布を測定する手法です。 -
ガスクロマトグラフ質量分析
(GC-MS, Gas Chromatography - Mass Spectrometry)
樹脂製品中の添加剤・硬化剤、生体からの抽出物、食品中の成分などの分析では、多くの物質が混合された状態にあります。
ガスクロマトグラフ質量分析 (GC-MS)を用いるとGCによって試料中の混合物を分離し、その出口から直接MSに導いて、分離した多数の成分を順に測定する事により、微量の成分を便利に高感度に分析できます。 -
熱分解ガスクロマトグラフ質量分析
(Py GC-MS, Pyrolysis Gas Chromatography - Mass Spectrometry)
ガスクロマトグラフ質量分析計の試料導入部に熱分解装置を設置した分析です。従来は複雑な前処理が必要であった高分子材料も、前処理なしで熱分解する事により、分子構造を同定する事ができます。 -
パージ&トラップ・ガスクロマトグラフ質量分析
(P&T GC-MS, Purge and Trap Gas Chromatography - Mass Spectrometry)
樹脂やゴム製品から発生する揮発性物質により、各種不具合(電子部品の接点不良、樹脂やゴムの劣化など)を引き起こすケースがありま す。パージ&トラップ・ガスクロマトグラフ質量分析では、サンプルを加熱し、 発生した揮発性成分を全量トラップ管に捕集し、分析するため高感度分析が可能です。試料管が大きい(内径12mm)ため、樹脂・ゴム製品のまま分析可能です。 また、低沸点域から高沸点域まで広範囲にわたり、高感度に測定する事が可能です。
熱分析
次のような機器分析手法を活用して熱分析を行います。
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示差走査熱量測定
(DSC, Differential Scanning Calorimetry)
示差走査熱量測定(DSC)は、測定試料と基準物質との間の熱量の差を計測することで、試料の吸熱・発熱に伴う熱流の変化を検知し、高分子材料のガラス転移、結晶化、融解といった相転移現象をはじめ、熱硬化性樹脂の架橋反応などを観測できる手法です。 -
熱重量分析-示差熱分析
(TG-DTA, Thermogravimetry - Differential Thermal Analysis)
試料の温度を変化させると、重量変化に伴い、融解、ガラス転移、結晶化といった転移現象や、分解、酸化、硬化といった反応が起こり、試料には吸発熱などの熱変化が生じます。TGで重量変化を分析しながら、DTAでは、 加熱炉内に置かれた試料と基準物質との温度差を分析し、試料側に生じた上記の熱物性変化を捉える事が可能です。 -
熱重量分析-質量分析
(TG-MS, Thermogravimetry - Mass Spectrometry)
TG-MSは、TGでの昇温加熱により試料から発生したガスをオンラインで質量分析計に導入しマススペクトル測定を行う方法です。TGのみでは重量減少時に発生した成分を特定できませんが、発生ガス成分を質量分析計に導入することによって、揮発ないしは熱分解によって生成する成分の化学種や生成量の 変化を温度変化に対して追跡することができます。 -
熱重量分析
(TG, Thermogravimetry Spectrometry)
熱重量測定(TG)は、物質がある特定の雰囲気中で昇温、冷却または等温保持された場合に、サンプルの質量変化を時間または温度の関数として測定する手法です。
熱分解温度が、劣化などによる分子量低下に依存する解重合型ポリマーの場合、熱分解温度を比較する事で分子量の低下が観察できます。 -
熱機械分析(TMA, Thermomechanical Analysis)
熱機械分析(TMA)は試料に非振動的荷重(一定荷重)をかけながらの温度に対する変形を計測する手法です。
荷重の与え方としては、圧縮、引張、曲げ等の種類があります。温度変化に対応して試料の熱膨張や軟化等、試料の変形が起こると、変形に伴う変位量がプローブの位置変化量として、変位検出部で計測されます。
振り子型粘弾性試験
剛体振り子の自由減衰振動を利用した剛体振り子試験により、基材上に塗られた皮膜の粘弾性やガラス転移温度の測定が可能です。また溶液から固体への硬化・乾燥過程を時間の経過とともに追跡することにより、その物性や粘性情報を評価する事が可能です。
構造解析
様々な用途に使用される各種炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やガラス繊維強化プラスチックの構造や破損メカニズムを解析致します。また繊維表面の官能基分析も実施可能です。官能基は、CFRPの繊維/樹脂間の接着性の向上に不可欠です。CFRPの繊維構造解析と樹脂種の同定の例を紹介します。
残留応力評価
溶融樹脂が金型内で冷却固化される際に、部位により成形収縮率や分子配向などに差異があり、樹脂の射出成形品には、応力が残留します。成形品に力が加わったり、薬剤が付着した際に残留応力が開放され、クラックが発生する原因となります。したがって、樹脂成型体内の残留応力の評価は大変重要です。
表面・界面分析
サンプルの深さ方向の情報を得る事が近年非常に重要になってきています。
特に樹脂フイルム、塗膜、接着構造体などの異種材料界面に関する情報は、研究開発の方向性を明確にする貴重な情報となります。
JFEテクノリサーチは、次のような樹脂材料の表面物性を評価いたします。
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接触角測定、表面自由エネルギー測定
接触角、表面自由エネルギーを測定し、濡れ性、接着性、付着性などの表面・界面現象を評価、解析します。 -
炭素材料の表面官能基分析
カーボンの表面官能基は樹脂との接合強度、電気特性などに影響することが知られています。 当社では、カーボンの表面官能基分析をお引き受けしています。
作業の流れ
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