材料試験

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クリープ試験・クリープ破断試験

『クリープ特性』の試験および解析をお引き受けします。

クリープ試験・クリープ破断試験とは

クリープ変形・クリープ破断とは

金属材料は、室温で力が加わっても破断荷重以下であれば変形は止まります。ところが、ある温度以上の高温では力が一定でも変形が止まらず、時間とともに変形がすすみ破断してしまいます。これが材料のクリープ変形、クリープ破断です。

高温で使用される機器の寿命は、非常に多くの場合、クリープ破断によって決まるため、クリープ特性は、火力発電をはじめとする種々の分野で使用される機器の安全基準に組み込まれています。

クリープ試験とは

時間の経過によるクリープ伸びを計測し、クリープ曲線を求める試験です。

クリープ破断試験とは

クリープ破断時間、破断伸び、破断絞りを求める試験です。応力-破断時間図を求め、クリープ破断特性を評価します。

クリープ試験機
クリープ試験機(シングルクリープ)

クリープ試験の種類

クリープ試験・クリープ破断試験

測定、解析例

内圧クリープ試験

内圧クリープ試験装置は、ボイラ用鋼管などの円筒管に高温下で内圧を加えて、破壊に至るまでの時間を試験する装置です。実管を用いるため、実機により近い状態でクリープ破断特性を評価することが可能です。

試験装置仕様

  • 温度:300~900 ℃
    試験体の外側から、電気炉により加熱します。
  • 内圧:~最大100 MPa
    水を試験体の管内に注入し、昇温後に水圧ポンプにより加圧制御します。
  • 雰囲気: 大気(試験片外面)
  • 試験体: 管状(管外径~最大60 mmφ)
    実管の内外表面層、酸化スケール、残留応力等の因子を有したまま、ご指定の内圧によりフープ応力を負荷します。
  • 試験機: 6台
    複数の試験体の同時試験に対応可能です。試験体破断時の衝撃防護用に、箱型鋼板製の二重壁構造となっています。
内圧クリープ試験機
内圧クリープ試験機の外観
試験体(試験前)写真
内圧クリープ試験の試験体(試験前)
試験体(試験後:破断後)写真
内圧クリープ試験の試験体(試験後:破断後)

微小クリープ試験(微小サンプル・極薄板クリープ試験)

ミニチュア治具の活用やつかみ部の補強などにより、通常の丸棒試験片や平板試験片より微小もしくは極薄となる試料のクリープ試験を実施できます。

  • 種々の試験片形状に対応できます:ミニチュア丸棒、ミニチュア平板、極薄平板
  • 広範囲の温度に対応できます:最高温度1050 ℃
  • 当社所有の多数のクリープ試験機で実施できます:10台以上の同時実施も可能
  • Arガス雰囲気中の試験も可能です
試験実施例写真
試験実施例(0.2mm厚極薄平板)

試験装置仕様

  • 温度:150~1050 ℃
    (150 ℃未満でも相談に応じます。)
  • 雰囲気:大気 Arガス雰囲気
  • 荷重:300 N~30 kN
    (300 N未満でも相談に応じます。)
  • クリープ伸び測定:相談に応じます。
試験体(試験前)写真
内圧クリープ試験の試験体(試験前)
試験体(試験後:破断後)写真
内圧クリープ試験の試験体(試験後:破断後)

金属材料の圧縮クリープ試験

軸受やガスケットなどの圧縮荷重を受ける部品は、圧縮クリープ特性データが有効となるケースがあります。特殊な治具を用いることで、通常の引張クリープ試験機で、圧縮荷重を負荷した試験が実施できます。試験中のクリープひずみも計測いたします。

圧縮クリープグラフ
クリープひずみ(圧縮)と時間との関係

試験装置仕様

  • 温度: 100~850 ℃
  • 最大圧縮荷重:3000 kgf
  • 試験片形状:素材、試験条件に応じて適切な試験片形状を検討いたします。
圧縮クリープ装置写真
圧縮クリープ試験装置

クリープ疲労試験

ガスタービン発電機器においては、再生可能エネルギーのバックアップ運用等により、高温高負荷条件が高頻度で繰り返されるため、クリープ損傷と疲労損傷が重畳したクリープ疲労損傷が懸念される場合があります。お客様のご要望に応じて、一定負荷と繰返し負荷を組み合わせたクリープ疲労試験が実施できます。

クリープ疲労試験の負荷波形例
クリープ疲労試験の負荷波形例
保持時間、保持レベル、変動速度を様々に設定できます。

試験装置仕様

  • 試験温度: 400~1200 ℃ (800 ℃以上は要相談)
  • 試験片形状: ネジ型、ボタンヘッド型、長尺型
  • 制御方式: 荷重制御、ひずみ制御
クリープ疲労試験機写真
クリープ疲労試験機
試験片取付状況写真
試験片取付状況

高温高応力クリープ試験

900℃を超える高温かつ高応力の試験条件においてクリープ試験が可能です。超高温での耐クリープ構造材料開発などへ活用できます。

900℃超条件での試験機体制

  • 試験機及びチャック治具の整備により、900℃~1050℃においても高い応力での試験が可能です。※1
  • 試験中のクリープ伸びの自動測定も可能です。
対応可能な試験応力
対応可能な試験応力 ※2
  • ※1 試験の対応可能台数は実施状況に応じ変化しますので、適宜ご相談ください。
  • ※2 対応可能な試験応力は、試験片の仕様に応じ若干変化します。
圧縮クリープ装置写真

チャック治具:
試験片と荷重ロッドとの連結治具試験中にネジ部がせん断破壊(ネジ抜け)しないよう、十分な高温強度を有した耐熱合金を使用

クリープ試験設備

川崎地区、千葉地区合わせて200台以上の試験機を所有し、高温長時間強度の推定や許容引張応力算出などに必要なクリープ試験(クリープ曲線)及びクリープ破断試験データを提供します。耐熱鋼の他、非鉄金属、ハンダなど、低温度・低荷重試験についても対応しています。また薄板、線材など、特殊な形状についても検討させていただきます。

試験機種類 温度(℃) 荷重・圧力 台数 用途・特徴
レバー式 シングル 80~1050 Max. 30 kN 195 うち、クリープ試験対応106台
レバー式 シングル 400~800 Max. 50 kN 5 クリープ破断試験のみ
直荷重式 シングル 50~900 Max. 0.8 kN 2 低温・低荷重・個別仕様に対応
レバー式 マルチ 400~800 Max. 15 kN 11 同一条件、長時間試験に対応
ばね式 マルチ 400~750 75~800 kgf 8 長時間試験用に対応
内圧式 300~900 Max. 150 MPa 6 管状試験片(Φ60mmまで)
  • 内圧クリープ試験機
    内圧クリープ試験機
  • 引張クリープ
    引張クリープ試験片
  • 内圧クリープ内圧クリープ
    内圧クリープ試験片

作業の流れ

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業総括部
0120-643-777

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